こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラーとウィーンフィルによる最晩年のライブ録音です。
1954年8月30日。
世を去る3ヵ月前の録音。
フルトヴェングラーの特徴である緩急自在の劇的なスタイルが影を潜め、遅めのテンポで広々とした印象を与える演奏です。
さて、この録音に関して後世の人が最晩年の演奏だから、枯れたスタイルと勝手にいうのはおかしくて、演奏しているフルトヴェングラーもウィーンフィルもその時点で当然晩年とは感じておらず、新たな演奏スタイルの追い求めたいたのではないかと思います。
実際フルトヴェングラーは68歳。
長命の多い音楽家の中では、まだまだ活躍できる年齢です。
ただ、フルトヴェングラーの死因は肺炎だそうですが、数年前にも肺炎を患っており、また難聴で悩んでいたとも言われています。
結局、感受性の強い人だったことから本人の中では様々な葛藤があったんでは想像します。
フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第7番&第8番
同志であり年齢も1歳違いのクレンペラーが、壮年期までの颯爽として即物的な演奏から、遅いテンポによる刻明な演奏スタイルに変わって行ったのは70歳前後からでした。
そんなことからもこのウィーンフィルとのライブを聴くと身体的な不調と付き合いながらより深みのある演奏や録音を残して行ったのではないかと思うと残念でなりません。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
1.(13:35) I. Poco sostenuto – Vivace
2.(09:33) II. Allegretto
3.(08:21) III. Presto, assai meno presto
4.(07:36) IV. Allegro con brio
total(39:05)
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交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
5.(08:30) I. Allegro vivace e con brio
6.(04:37) II. Allegretto scherzando
7.(05:48) III. Tempo di menuetto
8.(07:54) IV. Allegro vivace
total(26:49)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 30 August 1954, Live recording, Salzburger Festspiele, Austria
ベートーヴェン:交響曲 第7番、第8番(1954年) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの生誕130年(2016年時)企画。本作は、ベートーヴェンの「第7番」「第8番」をふった1954年ザルツブルク音楽祭での記録。演奏は最晩年のフルトヴェングラーの特徴が出たもので、遅いテンポと重いリズム。かつての劇的なテンポは控えられ、美しい造形を生み出している。
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