こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラーの指揮による第8番は、三種類出ています。
一時期、クリュイタンス指揮の演奏をフルトヴェングラーのものと間違って、いやもしかしたら偽って出回ったことがあるそうですが、これは明らかに詐欺的で許される行為ではありません。
さて、今日は、フルトヴェングラーによるベートーヴェン交響曲第8番について書きます。
フルトヴェングラーのベートーヴェン第8番 録音歴
フルトヴェングラーによるベートーヴェン交響曲第8番の録音は、以下の3種類があります。
どれもライブ録音でスタジオでのものはありません。第2番に次いで少ない録音数です。
①ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
1948年11月13日(ライブ)
②ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1953年4月14日(ライブ)
③ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1954年8月30日(ザルツブルク音楽祭でのライブ)
『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』音楽之友社では、
1948年のストックホルムフィル盤は、オーケストラがぎこちなくまるで練習途上のような演奏だ、と切り捨てています。
そして1954年盤は、丁寧に描かれているが狂気が薄まっていると評し、1953年のベルリンフィル盤が、激しさと静寂、均衡と俊足の絶妙なバランスで一番よいという内容を書いています。
まあそういう評価は、いいとして個人的には、ストックホルムフィル盤に一番惹かれます。これはフルトヴェングラーが、1948年11月にストックホルムフィルに客演したの録音で、ベートーヴェンの交響曲では、その他第7番と第9番が残されています。
その他の演奏も含めてストックホルムフィルの技術的なことやフルトヴェングラーとの相性のことが書かれていることが多いのです。
しかし、僕はこの演奏がいいな、と思うのは、ストックホルムフィルが必死にフルトヴェングラーの指揮に付いて行こうと真剣にひたむきに演奏していることが伝わってくることです。
特に第一楽章の展開部の盛り上がりや快速テンポの終楽章にはそれを強く感じます。
ただ、残念なのは、録音が良くないことです。70年以上前の録音はさすがに古さを感じます。
鑑賞ということを考えれば、録音も含めて53年のベルリンフィル盤がおすすめです。第一楽章の出だしは、おお鮮烈!と感じますが、終楽章はもっと追い込みが欲しいところです。
54年盤は、まさに枯れて演奏ですが、それだけに透明感があり、内容も充実しているので僕は53年盤よりこちらを取りたいと思います。
フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第8番
フルトヴェングラーによるベートーヴェン交響曲第8番の3種類が収録されているCDをご案内します。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
1.(08:25) I. Allegro vivace e con brio
2.(04:32) II. Allegretto scherzando
3.(06:03) III. Tempo di menuetto
4.(07:35) IV. Allegro vivace
total(26:35)
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 – Stockholm Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 13 November 1948
【CD】 フルトヴェングラー&ストックホルム・フィル、スウェーデン放送全録音集
フルトヴェングラー+ストックホルム・フィル
スウェーデン放送による全録音集大成!
放送局とオーケストラ承認による初リリース!フルトヴェングラーはスウェーデン、ストックホルムを頻繁に訪れました。ある時はウィーン・フィルを率いて、そして現地ストックホルム・フィルに客演しました。この度、フルトヴェングラー+ストックホルム・フィル共演の遺されている全録音がスウェーデン放送アーカイヴによる音源提供+ストックホルム・フィルの承認を得ての初発売となりました。フルトヴェングラーの代名詞ともいえる「第九」は、1943年12月という難しい時期に単身ストックホルムに赴いた演奏。狂乱のような合唱には何か特別な感情が籠めらているかのようです。ベートーヴェン・プロ、交響曲第8番、第7番は戦後の客演。元気なフルトヴェングラーらしい自由自在な演奏で、ストックホルム・フィルに秘伝を伝えるかのような見事な演奏。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
1.(08:30) I. Allegro vivace e con brio
2.(04:37) II. Allegretto scherzando
3.(05:48) III. Tempo di menuetto
4.(07:54) IV. Allegro vivace
total(26:49)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 30 August 1954, Live recording, Salzburger Festspiele, Austria
【UHQCD】 ベートーヴェン:交響曲 第7番、第8番 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
アナログ・マスターテープから20~30数年ぶりにCD再復刻。セブンシーズ(旧チェトラ・レーベル)のフルトヴェングラー秘蔵音源が、最新デジタル・リマスタリング&”高品質CD”UHQCD仕様でよみがえる!本作は、1953年4月にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との定期公演ライヴを収録。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
1.(08:05) I. Allegro vivace e con brio
2.(04:29) II. Allegretto scherzando
3.(05:36) III. Tempo di menuetto
4.(07:49) IV. Allegro vivace
total(25:59)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 14 April 1953
“ザルツブルク音楽祭フルトヴェングラー・エディション”
※はORFEO からの初めての発売となるもの。
最後に
どうして、フルトヴェングラーに魅かれるんだろう。
そして、最近ようやく、なぜ、フルトヴェングラーに魅かれるのかわかったような気がします。
それは、フルトヴェングラーの演奏が完成されていないからです。
常に、初めてその曲を演奏するような緊張と真剣さとワクワク、ドキドキ感が感じられるからです。
フルトヴェングラーが生きていた時代、彼のコンサートに聴きに来た人達は、
「今日は、どんな演奏をしてくれるのだろう?」、
とワクワク、ドキドキしてやってきたのだと思います。
フルトヴェングラーの演奏は、主観的な響きやテンポを大胆に動かすので、わかり易いのです。
しかも、奥が深いのです。
だから聴くたびに新しい発見があります。
僕は、死ぬまでフルトヴェングラーの録音を聴き続けることでしょう。
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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