こんにちは、
ともやんです。
個人的には、フルトヴェングラーの一番個性が出るのは、第3番”英雄”と第7番だと思います。
今日は、フルトヴェングラーによるベートーヴェンの交響曲第7番について書きたいと思います。
数種類の録音がありますが、一番のおすすめは’50年のウィーンフィルとのスタジオ録音です。
ウィーンフィルとの録音企画の中では、もっとライブ感のある演奏で、特に終楽章は、追い込むようなテンポ感が圧巻です。
フルトヴェングラーのベートーヴェン第7番 録音歴
フルトヴェングラーによるベートーヴェンの交響曲第7番は、全部で5種類が残されてます。
これは、”英雄”の9種類、”運命”の11種類、第九の9種類に比べ少ないし、”田園”の7種類よりも少ないし、第1番の5種類に並ぶ程度で、意外な気がします。
EMIでは、フルトヴェングラー&ウィーンフィルによる全集を企画していたようで、第1、3番”英雄”、4番、5番、6番”田園”、7番の6曲がスタジオ録音で残されていますが、第7番が’50年に一番最初に録音されています。
それにより音質的には、一番古さ感じますが、演奏は一番ドラマティックな展開をしています。
以下、第7番の録音歴です。
①ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1943年10月31日~11月3日(ライブ)
②ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
1948年11月13日(ライブ)
③ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1950年1月18日~19日(スタジオ)
④ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1953年4月14日(ライブ)
⑤ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1954年8月30日/ザルツブルク音楽祭にて(ライブ)
僕は、第7番に関しては、僕は全部一通り聴きましたが、まだレビュー出来るほどではありません。もう少し聴き込んで改めてレビューしたいと思います。
ただ、ここではざくっとお伝えします。
①と④が同じベルリンフィルですが、演奏の覇気というか新鮮さはかなり違います。
また43年盤の音質の良さに驚かされます。
実は、戦前ドイツの技術が一番進んでいたらしく、戦争がなければ断トツで世界をリードしていたかもしれません。その片鱗を伺わせる音質です。
そのせいもあると思いますが、77年前の録音とはとても思えません。
しかも、フルトヴェングラーもまだ50代で若々しい覇気に溢れています。
本当に戦争は憎むべきもので絶対にあってはいけないものです。
また、54年8月のザルツブルク音楽祭でのライブは、まるでクレンペラーの70代以降の演奏にように遅いテンポと充実した響きでフルトヴェングラーも新しいスタイルへの階段を登りつつあるなと感じました。ただ残念ながらこの演奏の3ヵ月後には亡くなってしまったのです。
最後に②の録音は、LPにもなっているので厳しい言い方はしたくありませんが、魅力は他の4つに比べてかなり落ちます。
だからファンやマニアでなければ、あえておすすめはしません。
フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第7番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
1.(13:07) I. Poco sostenuto – Vivace
2.(05:58) II. Allegretto
3.(04:08) III. Presto, assai meno presto
4.(09:28) IV. Allegro con brio
total(32:41)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 18-19 January 1950, Musikverinsaal, Wien, Austria
【CD】 ベートーヴェン: 交響曲全集(2010リマスター)<限定盤> ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 他
フルトヴェングラーのベートーヴェンに対する思いが伝わる名盤であり遺産! このBOXでの音源は、2010-2011年にアビー・ロード・スタジオのエンジニアにより、オリジナル・ソース(78回転レコードのメタル・マスターまたはアナログ・テープ)の選定から行われ、96kHz/24bitにてリマスターされたものです。
ワーナーミュージック・ジャパン
最後に
どうして、フルトヴェングラーに魅かれるんだろう。
そして、最近ようやく、なぜ、フルトヴェングラーに魅かれるのかわかったような気がします。
それは、フルトヴェングラーの演奏が完成されていないからです。
常に、初めてその曲を演奏するような緊張と真剣さとワクワク、ドキドキ感が感じられるからです。
フルトヴェングラーが生きていた時代、彼のコンサートに聴きに来た人達は、
「今日は、どんな演奏をしてくれるのだろう?」、
とワクワク、ドキドキしてやってきたのだと思います。
フルトヴェングラーの演奏は、主観的な響きやテンポを大胆に動かすので、わかり易いのです。
しかも、奥が深いのです。
だから聴くたびに新しい発見があります。
僕は、死ぬまでフルトヴェングラーの録音を聴き続けることでしょう。
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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