ブルーノ・ワルター モーツァルト交響曲第28・29番 羽毛の響き

ワルター

こんにちは。
ともやんです。

ブルーノ・ワルター(1876-1962)は、1876年9月15日に絹物商の事務をしていたユダヤ人の父と音楽的才能豊かなドイツ人の母を両親にしてベルリンに生まれました。
その家庭は、平和と善意とに満ち、両親の怒鳴り声をワルターは、一度も聴いたことがなかったと言われます。

後年、愛の音楽家と呼ばれるようになったのは、そんな家庭で育ったからだと思います。

ワルターが生まれた時代は、リスト、ワーグナー、ブルックナー、ブラームス、そして一番影響を受けたマーラーが、健在でバリバリ活躍していた時代です。
だからロマン主義が爛熟していた時代で、ワルターも多くの影響を受けたものと思います。

ワルターは、6歳からピアノを習い始めみるみる上達し、母親は、未来の大ピアニストにすべく自分の母校のシュテルン音楽院に入学させたのです。
この頃から既にロマンティックな演奏ぶりは注目され、ショパンやメンデルスゾーンなどを人間が歌うように弾いたとされています。

後年、生涯を通して私には歌があったと述べていますが、少年の頃からすでにピアノの演奏に表れていました。

そして、ワルター少年が指揮者になろうとした事件が、13歳の時にベルリンフィルを指揮するハンス・フォン・ビューローの演奏をティンパニの後ろで聴いたことからです。

ビューローが、霊感に満ちた表情で、指揮棒一本で百人のオーケストラを自在に操る技術が、ワルター少年の心を強くとらえたのです。

そして次のワルターに大きな影響を与えたのがマーラーでした。
17歳のときにケルン歌劇場に推薦され、オペラ指揮者としてデビューし、翌年ハンブルク歌劇場に移りましたが、ここでマーラーとの運命的な出会いがありました。

首席指揮者であるマーラーは、ワルターの素晴らしい音楽性を見抜き、またワルターは、当時まだ世間から認められていないマーラーの作品に圧倒され、彼のオペラ上演を深く尊敬するようになりました。

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ブルーノ・ワルターの名盤 モーツァルト交響曲第28&29番

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第28番 ハ長調 K. 200
Symphony No. 28 in C Major, K. 200

1.(05:19) I. Allegro spirituoso
2.(06:20) II. Andante
3.(04:29) III. Minuetto: Allegro
4.(03:53) IV. Presto
total(20:01)

コロンビア交響楽団 – Columbia Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 3 December 1954, New York, United States

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交響曲第29番 イ長調 K. 201
Symphony No. 29 in A Major, K. 201

1.(09:57) I. Allegro moderato
2.(06:16) II. Andante
3.(03:45) III. Menuetto
4.(05:57) IV. Allegro con spirito
total(25:55)

コロンビア交響楽団 – Columbia Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 29-30 December 1954, New York, United States

諸説あるが、第28番は、1774年11月17日か12日かと考えられるが、自筆譜の完成年が1773年とも読めることから、新全集の編者であるヘルマン・ベックは、第25番K.183が、’73年10月5日、第29番K.201が、’74年4月6日ということから、この2曲と並びすぐれた作品であり様式的にも似ていることから、’73年11月の完成という方を採用し、第28番K.200としています。

2曲を比べると断然第29番が魅力的で、それはモーツァルトも29番には自信を持っていたようで後年ウィーンでも演奏しています。

また巨匠クレンペラーもこの曲を相当気に入っていたようで、10種類近く録音を残しています。

ワルターの演奏は、両曲とも気持ちを込めて、かと言って感情過多にはならず、優美にして繊細な演奏を展開しています。

特に第29番の第一楽章のきびきびとしながらも羽毛のような響きが堪りません。

CDでは、第25番と同じくコロンビア・レコード(現ソニー・クラシカル)の全集盤で聴くことが出来ます。

この全集は全CD77枚組で、一生物ですが、さすがにこの録音だけにお勧めする訳にはいきません。中古店で探すか、Amazonでも中古でお得な価格で出ています。一応この末尾に記載しています。

なお、僕は韓国で発売された『ブルーノ・ワルター エディション』CD39枚組で楽しんでいます。このボックスもお得価格でしたが、すぐ消えてしまいました。

【CD】 ブルーノ・ワルター ザ・コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション<完全生産限定盤>

フルトヴェングラー、トスカニーニと並び、20世紀最大の指揮者と賞されるブルーノ・ワルター。ナチズムの蔓延するヨーロッパを離れ、アメリカに亡命したワルターが、1941年から亡くなる前年の1961年までアメリカのコロンビア・レコード(現ソニー・クラシカル)に残したすべての録音をCD77枚にまとめたボックスセットです。これはまた、現社長ボグダン・ロスチッチのもとでソニー・クラシカルが新たな組織として出発してから10年という節目となる今年、「ソニー・クラシカル再生10周年」を記念してのリリースでもあります。
ワルターはその長い音楽活動の中で、レコード録音を特に重要視したパイオニア的演奏家の一人でした。また、カラヤンと同様に、録音技術の進歩に応じて、同じ曲を繰り返し録音し、それが音楽家としての成長・円熟をも記録することになった演奏家でした。このボックスセットには、そうしたワルターのアメリカ・コロンビアへの録音がほぼ発売年代順に収録されています。
ワルターが録音の経歴をスタートさせたのはアコースティック録音の時代(本人の証言では1900年とされていますが、現在残されている最古の録音は1923年のベルリン・フィルとの独ポリドール録音)で、生涯にわたって約150もの作品を録音(その多くは複数回)していますが、彼が集中したのはモーツァルトからマーラーにいたるドイツ・オーストリアの作曲家でした。電気録音が開始されるとワルターの録音量は飛躍的に増え、特に1934年からのウィーン・フィルとのSP録音は、当時世界的にもっとも高く評価された名演ぞろいでした。
ソニー・ミュージック

Complete Columbia Album C CD, インポート

Amazonの方が、多少安く入手可能なようです。

モーツァルト:交響曲第25番

またボックス物が高額だというから、中古なら超得な価格で入手可能です。

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最後に

宇野功芳氏の本によると、ワルターのモーツァルトの美しさは、細部まで神経が行き届いているからで、装飾音も冴え切っていることに驚かされるそうです。

その名人芸的な響きの秘密は、丹念な弓使いに起因しているそうです。
フルトヴェングラーも弓使いにうるさかったそうで、ただ、カラヤン以降の指揮者は、オケ任せのことが多く、それでは自分の理想とする音は望めないと書いています。

それはもしかして指揮者とオケの関係が変化したことにもあるのではと思います。
この辺の事情はよくわかりませんが、ワルター、フルトヴェングラーの時代は、それだけ指揮者の権限が強かったのかもしれません。

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