ワルター ブラームス交響曲第1番 聴き比べ NYフィルvsコロンビア響

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こんにちは、
ともやんです。

先日の5月7日は、ブラームスの生誕190年の誕生日でした。ブラームス・ファンとしては大いに盛り上がりたいところですが、世間ではそうではないようです。

ということで勝手に盛り上がりたいと思います。
そしてこのブログで取り上げているトスカニーニ、ワルター、シューリヒト、クレンペラー、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュといった往年の巨匠たちの演奏を取り上げて行きたいと思います。

まず今日は、ブルーノ・ワルター(1876-1962)による交響曲第1番

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ワルターのブラームス交響曲第1番

ブラームスは、ワルターの主要なレペートリーで、ブラームスの交響曲全集としても2度録音しています。それは1951年から53年にニューヨーク・フィルとおモノラル録音。1959年から60年のコロンビア響とのステレオ録音です。

今回、第1番をニューヨーク・フィルとコロンビア響で聴き比べてみました。
ワルターは、このブログで取り上げている他の指揮者に比べ凄みはないかもしれません。しかし逆にチャーミングで大らかな、そして何よりも旋律の歌わせ方に魅力を感じさせます。

その点から行くとコロンビア響とのステレオ録音が、ワルターの長所と80歳を超えた、老ワルターの澄み切った心境(想像です)を感じさせます。

ニューヨーク・フィル盤に比べ遅めのテンポ、特に終楽章はそれが顕著で朗々と歌うブラームスです。それが僕には晴れやかな気持ちのを感じさせてくれます。

一方、ニューヨーク・フィル盤は、第1楽章の冒頭の序奏から驚かされます。ワルターらしからぬ力のこもった演奏で、なんか無理してる感も感じない訳ではありません。

終楽章でも追い込みをかけるような表現もあり、ワルターの別の面を感じさせる演奏になっています。

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ワルター NYフィル ブラームス交響曲第1番

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68

1.(12:43) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(08:15) II. Andante sostenuto
3.(04:31) III. Un poco Allegretto e grazioso
4.(15:08) IV. Adagio – Piu Andante – Allegro non troppo, ma con brio
total(40:37)

ニューヨーク・フィルハーモニック – New York Philharmonic Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音:1953年12月30日

上述のようにワルターらしからぬ力こぶを感じさせる演奏です。福島章恭氏はその著書の中で次のように記しています。

“常にズシリと響く低音の土台に、実に立派な音の建造物が築かれており、歌よりも構築美を思わせるところがワルターとしては珍しい。”

またワルターの研究者として『名指揮者ワルターの名盤駄盤』の著書もある宇野功芳氏は次のように記しています。

“ウィーン・フィルとのSPであれだけ女性的で小味な演奏を示したワルターが、ここではややムキになった迫力を見せるのだが、こうした急激な変化がワルターという芸術家への不安と同時に、彼の人間的な弱みに対する親しみへと変わり、さらにはその指揮ぶりをつぶさに研究してみたいという欲求を起こさせるのである。”

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ワルター コロンビア響 ブラームス交響曲第1番

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68

1.(14:03) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(08:27) II. Andante sostenuto
3.(04:44) III. Un poco Allegretto e grazioso
4.(16:50) IV. Adagio – Piu Andante – Allegro non troppo, ma con brio
total(44:04)

コロンビア交響楽団 – Columbia Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音:1959年11月25日

ここでも僕が敬意を持つ二人の評論家のコメントを引用いたします。

まず、福島氏。
“長い息、短い息、力を溜めたり、ふと緩めたり、といったフレーズごとの微妙な歌い回しの妙が何とも言えない。”

また、宇野氏は、次のように表現しています。

“前略、常に楽器のバランスに気を使って純音楽的な透明さを出そうとしているにもかかわらず、素晴らしい迫力にみち、実に息の長いフレージングを見せる。”

なお、ワルターのブラームスの第1番では、1937年のウィーン・フィルとのSP盤があるようで、僕は未聴ですが、宇野氏はその録音にかなり愛着があるようです。

ブルーノ・ワルター ザ・コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション

フルトヴェングラー、トスカニーニと並び、20世紀最大の指揮者と賞されるブルーノ・ワルター。

ナチズムの蔓延するヨーロッパを離れ、アメリカに亡命したワルターが、1941年から亡くなる前年の1961年までアメリカのコロンビア・レコード(現ソニー・クラシカル)に残したすべての録音をCD77枚にまとめたボックスセットです。

これはまた、現社長ボグダン・ロスチッチのもとでソニー・クラシカルが新たな組織として出発してから10年という節目となる今年、「ソニー・クラシカル再生10周年」を記念してのリリースでもあります。

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