シューリヒト 名盤 ベートーヴェン交響曲第1&4番 戦前の貴重な録音

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こんにちは。
ともやんです。

今年は、ベートーヴェンの生誕250年ということで、昨年から今年に合わせて多くCDが発売されています。

個人的には、僕はクラシック音楽を聴き始めたのが、1970年の中学1年の時なので、それからもう50年も経ったのか、と感慨深いものがあります。

50年間に購入したLP、CDは何枚になるかわかりませんが、棚卸的な意味も含めて、自分の所有しているCDを聴きながらレビューをするためにこのブログを始めました。

しかも、このブログを運営しながらCDの数は同時に増えてもいるので、生きている内に全部聴き終わるかなんともいえません。

さて、今日は、シューリヒトの戦前の録音からベートーヴェンの交響曲第1番と第4番ををご紹介します。

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カール・シューリヒト 生誕140年

カール・シューリヒトは、1880年東プロイセン(現ポーランド領)のダンツィヒに生まれました。父親は、代々引き継がれてきたオルガン製作者でしたが、シューリヒトが生まれる3週間前に川でおぼれている友人を助けようとして命を落としてしましました。

しかし、母親がオラトリオ歌手だったこともあり、幼少から音楽に囲まれた環境で育ちました。

シューリヒトが生まれ年は、まだワーグナー、リストは健在で、ブルックナー、ブラームスは、働き盛りで、まだ20歳だったマーラーは、既に作曲を始めていてウィーン大学でブルックナーの私淑していた時代です。

19世紀後半のまさにロマン主義の爛熟していた時代と言えます。
そんな時代に生まれ、思春期、青年期を送ったシューリヒトですから、15,6歳年下のクレンペラーやフルトヴェングラーが割と現代音楽と取り上げているスタイルとは違うところだと感じます。

しかも演奏スタイルは、どちらかという颯爽と速めのテンポで、すっきりした、そして後年は枯淡の境地などと表現されることもありますが、

いやいや、もっとロマンティックで情感たっぷりの演奏と僕は感じます。
ただ、これもシューリヒトの一面でしかないのかもしれません。

人柄は、質素でさっぱりとして権力に固執しない人柄その生き方から伝わってきます。
というのも、60歳を過ぎるまでは、ヴィスバーデンの音楽監督を30年以上に渡って務めていたということからもわかります。

指揮棒一本持って、世界を飛び回ることよりもひとところで継続的に活動を行うタイプだったのです。

後年、ウィーンフィルと良い関係となり団員からも尊敬を集めたシューリヒトも初めて指揮しのが1934年で既に50歳を過ぎていました。しかも次に指揮したのが1956年のフルトヴェングラーを記念するコンサートとザルツブルク・モーツァルト週間でのことでした。

シューリヒトは、既に70代も後半に入ろうとしていました。

しかし、ここで思いがけない機会がやってきたのです、
この年1956年秋の予定されていたウィーンフィルのアメリカ公演の指揮者だったクライバーが急逝したのです。

ウィーンフィルは、代わりの指揮者を探さなければなりません。
そして直前に名演を披露したシューリヒトが選ばれたのです。

76歳にして、栄誉あるアメリカツアー指揮者に選ばれたシューリヒトは、ウィーンフィルのニューヨークデビューと国連本部のガラ・コンサートを含む12回のコンサートを成功に導いたのでした。

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シューリヒト ベートーヴェン交響曲第1番&第4番

まず、紹介するCDの音質の良さに驚かされます。
録音は、ベルリンで行われたのですが、当時のドイツの録音技術の高さに驚かざるを得ません。

忌まわしい戦争がなければ、もっと早くステレオ録音が行われていたかもしれません。
80年前の録音とは思ないような生々しい音で、堅固で強靭なシューリヒトの演奏を伝えてくれます。

第4番の方が、よりロマンティックな演奏でコクとキレがある演奏です。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第1番 ハ長調 Op. 21
Symphony No. 1 in C Major, Op. 21

1. I. Adagio molto – Allegro con brio
2. II. Andante cantabile con moto
3. III. Menuetto – Allegro molto e vivace
4. IV. Finale: Adagio – Allegro molto e vivace

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交響曲第4番 変ロ長調 Op. 60
Symphony No. 4 in B-Flat Major, Op. 60

5. I. Adagio – Allegro vivace
6. II. Adagio
7. III. Allegro molto e vivace
8. IV. Allegro ma non troppo

ベルリン市立管弦楽団=現ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
カール・シューリヒト – Carl Schuricht (指揮)
録音:1941年スタジオ録音

カール・シューリヒト『ベートーヴェン:交響曲全集』

名指揮者シューリヒトによるベートーヴェン:交響曲全集です。巨匠の芸風は飄々とか軽やかという言葉で片付けられ勝ちですが、この全集からどの曲でも結構ですから聴いてみてください。実は豪快そのもので恐ろしく大胆な変化を平気で繰り広げる大胆な指揮者なのです。クリュイタンスと同行した戦後初のウィーンフィルアメリカ・ツアーに於ける「第7番」の熱狂(当時76歳!)、「第9」はモントルー・フェスティヴァルの凄絶なライヴで、第2楽章などトスカニーニもビックリの激しさ。パリで燃焼した「運命」……。奇数番号の交響曲にライヴの凄みが光っております。既出のCDよりも生々しい音で迫るMEMORIES入魂のリマスタリングです。
ミューズ貿易

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まとめ

シューリヒトの演奏は、よく飄々としてどちらかというと軽快な印象を与えます。
かと言って軟弱な演奏ではなく、芯の強いしかしその中に柔軟さを秘めた演奏なのです。

ただ、いつもシューリヒトの演奏で感じるのは、どんな溌溂として覇気のなる演奏を展開しても、粘着質的ないやらしさが皆無なのです。

テンポを揺らして表情豊かな演奏をしても、どこかにさっぱりとして印象が残ります。

これが非常に清々しいのです。

結局、最後は指揮者の人柄が演奏に出るのではと僕は思います。

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