こんにちは。
ともやんです。
小学校のグラウンドで遊んでいると、午後5時に流れる音楽は、ショパンの別れの曲かドヴォルザークの新世界よりの第2楽章というパターンが多いような気がします。
僕が小学生の頃は特にありませんでしたが、子供たちの小学校が、新世界よりの第2楽章、俗に「家路」と題されている曲でした。
それだけ郷愁を誘う曲なのです。
アントニン・ドヴォルザークは、1841年9月8日、ボヘミアの寒村ネラホゼベスに生まれました。
今から177年前のことです。
家は旅館を経営していましたが、幼少時から楽才を発揮し、小学校の教師にヴァイオリンと唱歌の手ほどきを受け、プラハにでて、16歳でオルガン学校に入学しました。
スメタナの感化を受け、器楽に対する研鑽を積み、32歳の時、愛国的題材を取り扱ったカンタータを作って自信深めました。
その後、ブラームスから高い評価を得て、その名声は、米英にも伝わりました。
そして1891年にはケンブリッジ大学から音楽博士の称号を贈られました。
翌年1892年には、招かれてアメリカに渡り、ニューヨークの国立音楽院院長に就任し1895年まで在任。
このアメリカ時代には、アメリカ音楽を研究し、交響曲第9番“新世界より”などいくつもの名曲を残しました。
トスカニーニ ドヴォルザーク”新世界より” 純音楽で勝負
アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvo?ak (1841-1904)
交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95, B. 178
Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World”
Ⅰ(08:24)Adagio – Allegro molto
Ⅱ(10:28)Largo
Ⅲ(07:18)Molto vivace
Ⅳ(10:10)Allegro con fuoco
total(36:20)
NBC交響楽団 – NBC Symphony Orchestra
アルトゥーロ・トスカニーニ – Arturo Toscanini (指揮)
録音: 3 February 1953, New York
ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より トスカニーニ NBC交響楽団他
新世界よりは、名曲中の名曲なのでCDもそれこそたくさん出ています。
どれが一番なんて野暮なことは言ってられないくらいで、それぞれ自分のお気に入りの演奏があると思います。
でも、トスカニーニ指揮NBC交響楽団が、最高だよという意見はあまり聞かない気がします。
僕も、この1953年の録音を聴くまでは、あまり期待していませんでした。
しかし、聴くとこれがなかなかの名演なのです。
なんというか、ドヴォルザークの新世界よりというイメージというか、固定概念を全て綺麗に洗い落として、純音楽として勝負したという演奏なのです。
だから、第一楽章など他の指揮者ならゆったりとこれから展開する曲のイメージを膨らますように始めるところ、拍子抜けするように素っ気なく始まるのです。
でも、それが聴いていくうちにこれでなきゃと感じてきます。
純音楽として、素晴らしい間合いとテンポ、そしてカンタビーレを武器にひとつの絵画を仕上げていくような名演なのです。
ドヴォルザーク 新世界より 名盤
ドヴォルザークは、ニューヨークの生活を続けているうちにひどいホームシックにかかり、
そのため一時期、アメリカのアイオア州のスビルヴィルが、故郷ボヘミアによく似た環境だったので、都会の生活を避けて、そちらで療養していました。
この時には、創作意欲もわき、名曲「新世界より」はここで完成し、1893年12月ニューヨークで初演されました。
新世界では、思わせぶりな演奏もありますが、僕は純音楽的なアプローチが好きで、特に気に入っているのが、クレンペラー指揮フィルハーモニア管とアンチェル指揮チェコフィルです。
クレンペラーはトスカニーニに共通して、新世界よりの既成概念を全て洗い落とし、楽譜に敬意をもって忠実に再現した名演ですが、
トスカニーニとは全く違うスローテンポがかえって新鮮です。
Otto Klemperer: Romantic Symphonies & Overtures
アンチェル&チェコフィルは、ご当地ものという括りでは表現できない純音楽的名演で、僕が一番好きな録音です。
アンチェル自身、トスカニーニの影響が強いと言っていることからそれが伺えます。
アンチェルの演奏は、このブログでも取り上げているのでぜひ読んでみてください。
トスカニーニ CDベスト5 タワーレコード編
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