ジョージ・セル 名盤 ブラームス交響曲第3番&第1番

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こんにちは、
ともやんです。

6月7日は、往年の名指揮者ジョージ・セルの誕生日でした。1897年6月7日ハンガリーのブダペスト生まれ。3歳でウィーンに移住したので、本人はウィーンの音楽家という自覚を持っていたそうです。3歳と言えば物心がつく前ですから当然と言えばそうですが。

セルは幼少期から音楽才能を発揮し8歳にして公開演奏をして、イギリスの新聞では”モーツァルトの再来”とまで生まれたそうです。

そう言えば往年の指揮者にはピアノ名手は多く、ワルター、フルトヴェングラーはピアニスト顔負けでしたし、バーンスタインも名手でした。カラヤンもそれなりに弾いたそうです。

当然ピアノの方を先に習うわけで、その後指揮者に転向する理由はいろいろあると思いますが、セルは「ピアノは自分を満足させない」という理由で指揮に本格的に取り組むようになったそうです。

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ジョージ・セル アメリカに渡った理由

ブタペストで生まれ、ウィーンで音楽を学んだセルが、なぜアメリカに渡り有名になったか?これはやはり第二次世界大戦の勃発のためです。

セルの両親は、父親がハンガリー人、母親がスロヴァキア人で、妻はチェコ人で僕の持つ資料には特にユダヤ系とは記されていません。

また彼の経歴を見てもナチから妨害を受けたという記述は特に見受けられません。だからそんなことは全くなったとは当然言えませんし、ましてや僕はセルの研究者でもありませんし。ただナチの影響はあまり受けていなかったとは想像できます。

むしろ大戦前のセルは、かなり自由に音楽活動を行っていた印象があります。実際、1930年初頭には、アメリカ各地のオーケストラに客演して好評を博しています。

その後37年には、オランダのハーグ・レジデンティ管の指揮者になっているくらいで、やはりここでもナチの影響は感じません。

しかし、39年の第二次世界大戦勃発をオーストラリアの客演旅行からの帰路で立ち寄ったニューヨークで知ったセルは、ヨーロッパに帰るのは難しくなったと判断し、アメリカに留まる決断をしたのです。よくぞ判断したと思いますが、家族はどうしたんだろうか、など色々考えさせられます。

ただ著名な音楽家の人生を見ていると、図らずも母国の政変でツアー先から帰国がままならず、その地で留まったり、また新天地を求めて移動したりしています。当然いろんな苦労もあるのでしょうが、音楽自体がグローバルなものだという証とも思います。

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ジョージ・セルのブラームス

ジョージ・セルというと46年から亡くなる70年まで音楽監督を務めたクリーヴランド管弦楽団との数々の名演の録音が、すぐ思い浮かびます。

見事なアンサンブルで展開される格調の高い演奏は、亡くなって50年以上経つ現代でも語り継がれ、その録音は聴き続けられています。

セルは、優れた音楽性と全権限を有していたので、団員からは尊敬をされながら恐れられてもいました。

ただ、アメリカの一地方都市のオーケストラに過ぎなかったクリーヴランド管を世界一級のオーケストラに育て上げたことは、彼の功績以外の何ものでもないと思います。

一方、客演でのライブ録音も多く残されています。今回聴いた1951年のコンセルトヘボウ管とのブラームス交響曲第3番は、スタジオ録音からか、クリーヴランド管の演奏と似ていて端正で引き締まったものです。

そして62年のルツェルン音楽祭のライブは、これがあのセルかと思うほど粗削りながら火の出るような演奏です。

エンディングのこれでもかぁ!という凄い気迫。観客の拍手と大歓声でその時の興奮が使わってきます。

特にこの第1番はぜひ聴いてほしい名演です。

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ジョージ・セル ブラームス交響曲第3番&第1番

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90

1.(09:46) I. Allegro con brio – Un poco sostenuto
2.(07:41) II. Andante
3.(05:46) III. Poco allegretto
4.(08:33) IV. Allegro – Un poco sostenuto
total(31:46)

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 – Concertgebouw Orchestra Amsterdam
ジョージ・セル – George Szell (指揮)
録音:1951年9月3日 スタジオ

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交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68

5.(13:26) I. Un poco sostenuto – Allegro
6.(09:07) II. Andante sostenuto
7.(04:26) III. Un poco allegretto e grazioso
8.(15:49) IV. Adagio – Piu andante – Allegro non troppo ma con brio
total(42:48)

ルツェルン祝祭管弦楽団 – Orchester der Festspiele Luzern
ジョージ・セル – George Szell (指揮)
録音:1962年8月 ライブ録音

ブラームス: 交響曲集 ジョージ・セル

燃え盛るライヴを中心とした好企画。ジョージ・セルは類まれなる情熱家でありましたが故に厳正な規律を自らに、そしてオーケストラに課したのでしょう。無味乾燥なインテンポではなく、大胆なテンポ変化も散見され、それが見事に決まっています。芸風としてはやはり派手な指揮者であったと言えましょう。巨匠のルーツであるヨーロッパにおける演奏というところがポイント。高名なクリーヴランド管とのスタジオ録音とも時期が被りますので聴き比べもマニアには楽しみな全集の登場です。

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