こんにちは、
ともやんです。
所属している合唱団をして下さっている指導者の先生が、70代半ばの方なのですが、風貌がスイスの名指揮者エルネスト・アンセルメを思い出させてくれます。
先日、先生とビールを飲みながらその話をすると「ほう」という感じでした。
それで続けて、アンセルメのベートーヴェンの交響曲なかなかいいですね、というと以前第九のLPを持っていたように思うが、それ以外は聴いたことがないな、ということでした。そこで今度お会いした時にでもCDをお貸ししようかなと久々に聴いてみました。
アンセルメのベートーヴェン交響曲第7番と8番を聴く
今回聴いたのが、第7番と第8番。
数日前に第3番「英雄」を聴いたが、オーケストラの音色がフランス風というか、木管楽器などなにか鼻にかかったような音色と全体的に明るいパステルカラーのようで軽快なサウンド。
ごりごりのベートーヴェンファンには、敬遠されそうだが、僕自身は悪くないと思った。
別にベートーヴェンだからと言って重厚にして深刻ぶることなないのだ。
アンセルメの明快なベートーヴェンを聴いているとこんなアプローチも全然OKと思ってしまう。しかも1960年前後の今から60年以上前の演奏録音と考えるとその先進性が素晴らしいと思ったほどだ。
第7番もメリハリの効いた演奏で、推進力のあるキリリとした演奏だけに、ベートーヴェンの持つ素の力強さが、くっきりと表現されているように感じた。
特に第8番は名演で、第1楽章のコーダの盛り上がる部分で、一瞬音量を抑えて、より盛り上がりを明確にする演出など素晴らしいと感じた。
ただ、残念ながらアンセルメのベートーヴェンの交響曲は、現在全集としても分売も廃盤状態で至極残念。
現在は、『エルネスト・アンセルメの芸術~ステレオ・レコーディングス 1954-1963年』(CD45枚組)で聴くことが出来るが、それも全曲ではなく1番と8番が未収録なのだ。これまた残念。
中古店をこまめにチェックするか、再販を待つかだが、この45枚組セットも十分魅力的なのでおすすめ。ブラームスの4つの交響曲も収録されている。むしろこちらの方が入手し難いかも。
アンセルメ ベートーヴェン交響曲第7番&8番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
1.(11:45) I. Poco sostenuto – Vivace
2.(08:53) II. Allegretto
3.(09:25) III. Presto, assai meno presto
4.(08:47) IV. Allegro con brio
total(37:53)
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交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
5.(10:03) I. Allegro vivace e con brio
6.(03:58) II. Allegretto scherzando
7.(05:27) III. Tempo di menuetto
8.(08:02) IV. Allegro vivace
total(27:30)
スイス・ロマンド管弦楽団 – Swiss Romande Orchestra
エルネスト・アンセルメ – Ernest Ansermet (指揮)
録音:January 1960 Victoria Hall, Geneva, Switzerland(第7番)
エルネスト・アンセルメの芸術~ステレオ・レコーディングス 1954-1963年
伝説的なバレエ団バレエ・リュスの指揮者として数多くの新作バレエを初演、後年は自ら創設したスイス・ロマンド管弦楽団を半世紀にわたって率い、コンサートにレコーディングに活躍したエルネスト・アンセルメ(1883~1969)。
彼は英デッカ・レーベルにLPレコードにして約150枚もの録音を残しました。その遺産より1954年から1963年までのステレオ録音を英スクリベンダムがCD45枚組のBOXに集成しました。
全45枚にはハイドン、ベートーヴェン、ブラームスからルーセル、オネゲル、ストラヴィンスキーに至る交響曲録音を始め、自ら初演したファリャの『三角帽子』、バレエ・リュスの指揮者として何度も上演したストラヴィンスキーの3大バレエ、LP時代の決定盤として親しまれたドリーブ、チャイコフスキー、プロコフィエフなどのバレエ音楽の数々、『シェエラザード』や『展覧化の絵』など得意としたロシア音楽、親交のあったドビュッシーやラヴェルなどの近代フランス音楽が収録され、多彩な作品を楽しめる内容となっています。
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