こんにちは、
ともやんです。
カール・シューリヒト(1880-1967)ダンツィヒ(グダニスクとも表記される。現ポーランド)の生まれで、1967年1月7日にスイスで永眠。86歳でした。
つまりこの記事を書いている今日が命日で没後55年となります。
シューリヒトはじめフルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、クレンペラーという19世紀生まれで20世紀前半から中盤に掛けて活躍した往年の名指揮者の演奏は、録音でしか楽しめません。
それなりにステレオで良い録音で残されているものも多いですが、ある程度聴く者のフィルターを通して聴くことも多くなります。
だから単純に現代の演奏家と比較することは出来ません。
カール・シューリヒトの魅力
大学で教鞭を取っているある評論家が嘆いていましたが、学生に中には現代の音楽家に目もくれず、往年の音楽家、例えばこのシューリヒトなどの録音ばかり聴いている人がいて、いかがなものかと疑問を呈していました。
僕もその通りだと思うし、一時的に往年の指揮者の録音ばかり聴いていた自分にとっても痛い指摘です。
ただ、録音で聴くカール・シューリヒトが魅力的なのは否定できません。
颯爽と吹き抜ける風のようなテンポ感。その中に多彩なニュアンスを含んだ表現。そしてなんと言ってもシューリヒトの演奏は”軽やかで自由”。
高齢になってもその軽やかを保ち、そして常に瑞々しい音楽を聴かせてくれたことです。
今回ご紹介するベートーヴェンの交響曲第7番とシューマンの交響曲第2番にしても軽快にして瑞々しい音楽を聴かせてくれます。
軽やかといっても決して軽薄ではないのです。そこには見えないような奥深さを感じさせるのです。
軽いけど深い、それがシューリヒトの真髄ではないと僕は思います。
幸い、シューリヒトの録音がまとまってお手頃な価格で出ているので、没後55年を記念して今月はこの『カール・シューリヒトの芸術』からピックアップしてご案内して行きたいと思います。
シューリヒト ベートーヴェン交響曲第7番&シューマン交響曲第2番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
1.(11:44) I. Poco sostenuto – Vivace
2.(07:35) II. Allegretto
3.(07:08) III. Presto
4.(06:57) IV. Allegro con brio
total(33:24)
シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
カール・シューリヒト – Carl Schuricht (指揮)
録音: 24 October 1952, Waldheim, Stuttgart-Degerloch, Germany
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ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
交響曲第2番 ハ長調 Op. 61
Symphony No. 2 in C Major, Op. 61
5.(10:54) I. Sostenuto assai – Allegro ma non troppo
6.(07:42) II. Scherzo, Allegro vivace
7.(09:36) III. Adagio espressivo
8.(08:08) IV. Allegro molto vivace
total(36:20)
シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
カール・シューリヒト – Carl Schuricht (指揮)
録音: 31 October 1959, Sendesaal Villa Berg, Stuttgart, Germany
カール・シューリヒトの芸術 カール・シューリヒト シュトゥットガルト放送交響楽団
【巨匠の芸術をCD30枚に集大成】
オーケストレーションを客観的に整理した解釈と、明確で生命力に満ち、なおかつ気品のある美しさを湛えた演奏が現在も多くの支持を集めているカール・シューリヒト。彼が1955年から60年まで、シュトゥットガルト放送交響楽団を振って南ドイツ放送(SDR)に残した放送用のセッション録音やライヴをCD20枚にわたり記録した「カール・シューリヒト・コレクション」、続くCD10枚組の「同第2集」、合計30枚のCDを新たに1つのBOXとした集大成が登場しました。巨匠の素晴らしい遺産をたっぷりとお楽しみいただけます。マスターは先の2つのBOXと同じものを使用。なお第1集に付属していたDVDは、今回は同梱されません。
ナクソス・ジャパン
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