クレンペラー ベルリンのベートーヴェン交響曲第2番&第6番

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こんにちは、
ともやんです。

クレンペラーは、数々の政治的、人種的差別と身体的生涯や怪我に遭遇しながらその度に不屈の精神で復活をくり返しながら1973年に88才の生涯を閉じた指揮者です。

僕のような平坦にして平凡な人生を歩んで来た人間からは想像も出来ないような精神力です。

1933年にユダヤ系ということで、ドイツを出国しスイスを経てアメリカに渡ります。そこでロサンジェルスフィルの音楽監督を数年勤めますが、脳腫瘍となり手術を行います。手術は成功したようですが、その後の療養期間中に精神的に不安定な状態となり、5年ほどのブランク期間になります。

そして大戦後ようやくヨーロッパに戻ることが出来ましたが、またもカナダのモントリオールで空港のタラップから転倒して大怪我を負い、また2年半ほどのブランクを迎えます。

そしてその後パスポート問題などでアメリカから出国できず、ようやく再びヨーロッパに戻ったのが、1954年の頃です。

本日紹介するベートーヴェンの「田園」は、ヨーロッパに復帰したばかりの54年3月の録音です。

そしてここから5年間ほどは、クレンペラーにしては特に何事ともなく音楽活動に専念出来た時期だと思います。

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クレンペラーの50年代

評論家の故宇野功芳氏などは、指揮者としては二流だったクレンペラーが巨匠として名前を残すようになったのは、60年以降からという厳しいことを書いています。
宇野さんの信奉者だった僕は、へえ、そうなのかと一時期思っていましたが、現在は違います。

クレンペラーが音楽的に一番充実していたのは、ヨーロッパに帰還した54年から60年代の初めころではないかと思っています。

そしてそれ以降は、神格化して行ったわけです。
だからこと生きている音楽という次元で考えるとやはり60年代より少し前の54年頃と言うのが僕の考えです。

54年と言うとクレンペラーも既に69才。もう老大家と言われてもいいくらいの年齢ですが、この54年の田園と58年の第2番のなんと瑞々しく覇気の溢れる演奏か!
全く老け込んだところがなく、気力が充実している様が演奏から伝わってきます。

ぜひ、この時代のクレンペラーをじっくり聴いてみてください。

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クレンペラー ベートーヴェン交響曲第2番&第7番「田園」

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36

1.(13:05) I. Adagio molto – Allegro con brio
2.(11:46) II. Larghetto
3.(03:44) III. Scherzo: Allegro
4.(06:47) IV. Allegro molto
total(35:22)

ベルリン放送交響楽団 – Berlin Radio Symphony Orchestra (Radio-Sinfonie-Orchester Berlin)
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 29 March 1958, Hochschule fur musik, Berlin

————————————–

交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68
Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastoral”

5.(12:12) I. Awakening of Cheerful Feelings Upon Arrival in the Country: Allegro ma non troppo
6.(12:38) II. Scene by the Brook: Andante molto mosso
7.(06:18) III. Merry Gathering of Country Folk: Allegro
8.(03:22) IV. Thunderstorm: Allegro
9.(08:28) V. Shepherd’s Song: Happy and Thankful Feelings after the Storm: Allegretto
total(42:58)

RIAS交響楽団 – RIAS Symphony Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 15 February 1954, Titania-Palast, Berlin

ベルリンRIAS録音集 1950-58 オットー・クレンペラー ベルリンRIAS交響楽団

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「ベルリン時代のクレンペラー」
auditeのドイチュラントクルトゥーア・シリーズに、大物クレンペラー(1885-1973)が登場。戦後ヨーロッパに復帰後のベルリンで、RIAS響および改称後のベルリン放送響を指揮したもので、ベートーヴェン、モーツァルト、マーラーほか巨匠ゆかりのプログラムを取り上げた注目の内容です。
マーラーの推薦を得て、1907年にプラハで指揮者としてデビューしたのちのクレンペラーは、バルメン、シュトラスブルク、ケルン、ヴィースバーデンといった歌劇場の指揮者を歴任し、急速にドイツを代表する指揮者のひとりとして注目を浴びるようになりますが、クレンペラーのキャリアのなかでも重要な活動として知られるものが、1927年に始まるクロール・オーパーでの仕事でした。
ベルリン国立歌劇場の一部門として創設されたクロール・オーパーでは、クレンペラーのもと、ヒンデミットの「カルディヤック」「今日のニュース」、シェーンベルクの「期待」「幸福な手」、さらにクレンペラー自ら演出を手掛けたストラヴィンスキー「エディプス王」「マヴラ」など同時代の作品が積極的に紹介されると同時に、旧来の有名な曲目に対しても新しい現代的な演出が試みられますが、その意欲的な試みは多くの支持と反発を引き起こすことになります。
さらに、折からのドイツ経済の危機的状況とナチスに代表される右翼の圧力から、1931年に劇場は閉鎖に追い込まれてしまい、1933年ついにクレンペラーはナチス・ドイツ政権を逃れてアメリカ合衆国に移住します。
こうした経緯もあって、おそらく文化的・政治的状況のために、クレンペラーが第2次大戦後にヨーロッパに戻ったあとも、クレンペラーと戦前因縁のあったベルリン国立歌劇場は一切の接触を断ったままで、ベルリン・フィルとRIAS響がクレンペラーを客演に招いているものの、「ベルリンでのクレンペラー」の演奏の絶対数は決して多いとは言えない状況なので、こうしてまとめてリリースされる意義はきわめて大きいといえるでしょう。
しかも、すべての収録内容が、オリジナル・マスターからの初の正規復刻というのはやはり大きなポイントとおもわれます。
このたびのセットには、厳格な対位法処理により金字塔として名高いベートーヴェンと奥深いモーツァルトをはじめ、師マーラーの交響曲と、クレンペラーがもっとも得意としていたプログラムで、ファンにはよく知られている演奏が大半を占めるいっぽうで、シュナーベルに師事し、ベートーヴェン弾きとして知られたリーベンスアーム(1906 ケーニヒスベルク生まれ)をソリストに迎えたピアノ協奏曲第3番と、クロール時代の記憶も強烈なヒンデミットという、おそらく初出とおもわれる音源が含まれているのも見逃せないところです。
キングインターナショナル

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