こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラーのJ・S・バッハの『マタイ受難曲』。
しかも1954年、亡くなった年の4月中旬。
つまり亡くなる半年前の演奏、と聞けば期待しないはずはありません。
そこで、全曲聴いてレビューを書こうと思い聴きました。
しかし、「?」なのです。
うん?自分の聴く能力が無いのか?
ということで、3回も聴きました。
2回目からは、エヴァンゲリストの部分を省いて、ソロとコーラス部分を中心に聴きました。
回答は、うーんなのです。腕組みしてしまいました。
フルトヴェングラーのバッハのCDが見つからない
今回、フルトヴェングラーのヨハン・セバスティアン・バッハ(以下バッハ)の演奏をご紹介するに当たり、おすすめするCDがないか、とタワーレコードやHMVのサイトを調べたんですが、
ベートーヴェンやブラームス中心に、シューベルト、ワーグナーはやたらそのCDが目立ったのですが、バッハに関しては皆無で、見つけた!と思っても廃盤だったりして残念でここで紹介できるものがありませんでした。
唯一、Amazonで中古で見つけたので一応ご紹介しておきます。
さて、ここからが本題です。
フルトヴェングラーの『マタイ受難曲』。しかも晩年の54年の録音。
普通なら、どんなことをしても手に入れたいところです。
僕は以下の紹介しているTHE LEGACYに収録されているもので聴きました。
結論は、聴くべきです。
絶対聴くべきです。
フルトヴェングラーの表現には、首を傾げたくなる部分があります。
例えば、個人的にはもっとも感動的な第一曲における第一コーラスと第二コーラスの掛け合いでも後者を遅らせる解釈もなにか鼻に付きます。
もっと、晩年の他の演奏のようにインテンポで出来なかったのかな、と思います。
しかし、それでもやっぱり聴いた方がいいと思うのは、ウィーンフィルの魂の演奏と聴いていくと、いくつも感動的なシーンに出会います。
結局突き詰めて行くと、第一曲のちぐはぐさかな、と思います。
合唱が始まるまでのウィーンフィルの演奏が素晴らしいだけに残念です。
また、合唱団がマイクから離れていて、しかも人数が少ないようで感銘が伝わりにくいのが残念です。
多分、実演に接した人は大いに感動したと思います。
フルトヴェングラー J・S・バッハ マタイ受難曲
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
マタイ受難曲 BWV 244
St. Matthew Passion, BWV 244
作詞 : 新約聖書 – Bible – New Testament
作詞 : クリスティアン・フリートリヒ・ヘンリーツィ – Christian Friedrich Henrici
アントン・デルモータ – Anton Dermota (テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ – Dietrich Fischer-Dieskau (バリトン)
エリーザベト・グリュンマー – Elisabeth Grummer (ソプラノ)
マルガ・ヘフゲン – Marga Hoffgen (アルト)
オットー・エーデルマン – Otto Edelmann (バス)
ウィーン・ジングアカデミー – Wiener Singakademie
ウィーン少年合唱団 – Vienna Boys Choir
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
演奏時間(150:11)
J.S. バッハ:マタイ受難曲(ウィーン少年合唱団/ウィーン・フィル/フルトヴェングラー)
フルトヴェングラーのバッハに対する考え方
『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』で、1950年代初めに、フルトヴェングラーが、ベルリン音楽大学の学生たちに語った内容を記載しています。
以下に引用します。
“感情を表現する音楽が19世紀の産物だと考えてはいけません。バロック期にも、少なくても理論の上では、音楽に感情的な要素は存在しており、ただ19世紀に入ってそれが際立っただけです。その点において音楽はつねに同じだと私は考えます。音楽は人間性の表現あることに変わりありまえん。生きている人間、二つの目と二つの耳、ひとうの口を持つ人間がその背後に存在しているのです。過去も、そして今も。”
フルトヴェングラーは、
“なぜバッハとベートーヴェンを同じ精神で演奏するのか?”
と尋ねれられて怒り出したことがあるそうです。
その時、彼は次のように答えています。
“何ひとつ変わることがないからだ。人間の心は不変だ。どちらの作曲家もめざすところはひとつ、それは古代の悲劇と同じで、謎めいた力を解放し、自然の本能を浄化することだ。”
フルトヴェングラー ザ・レガシー おすすめ
フルトヴェングラー/ザ・レガシー
CD107枚+ボーナスDVD+CD-ROM
フルトヴェングラー生誕125周年を記念してドイツのメンブラン・レーベルが2011年にリリースしたボックス・セット。2016年の再生産にあたり、曲順が一部変更されていますが収録作品は同じです。
現在、HMVでは、入荷は未定ですが、取り寄せは受け付けています。
なお、僕はディスク・ユニオン クラシック館新宿の店頭で購入しました。
2年ほど前ですは、当時よく店頭に行き、チェックしていたので、入手することが出来ました。
フルトヴェングラー/ザ・レガシー
CD107枚+ボーナスDVD+CD-ROM
フルトヴェングラー生誕125周年を記念してドイツのメンブラン・レーベルが2011年にリリースしたボックス・セット。2016年の再生産にあたり、曲順が一部変更されていますが収録作品は同じです(以前の曲順はこちら)。
【メインストリームとレア物】
膨大な収録音源は、よく知られた演奏が中心になっていますが、中にはストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」や「妖精のくちづけ」といった現在入手が難しいような音源も含まれるなど、買い逃していたファンには嬉しい内容ともなっています。また、フルトヴェングラーのピアノ伴奏による歌曲リサイタルや、フルトヴェングラーのリハーサルの様子やスピーチなども収録されており、稀代の巨匠について多角的に捉えられるのも嬉しいところです。
【使いやすい装丁】
107枚のディスクは、内容別に、ベートーヴェンやブルックナ-、ワーグナーといったボックスに振り分けられており、目的の曲が探しやすくなっています。
フルトヴェングラー/ザ・レガシー(107CD)
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詳しくはこちらでご確認ください。
クラシック好きとしても知られるドイツの首相アンゲラ・メルケル(キリスト教民主同盟党首、第8代ドイツ連邦共和国首相)が、同じくクラシック好きのローマ教皇に献上したエピソードでも知られるフルトヴェングラーの107枚組ボックス。第266代ローマ教皇フランシスコは、フルトヴェングラーの音楽をプロメテウス的と語り、そのスカラ座でのワーグナーの『指環』についても、クナッパーツブッシュの『パルジファル』と共に称えていました。
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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フルトヴェングラーのおすすめページはこちらです。
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