こんにちは、
ともやんです。
チャイコフスキーが特に素晴らしい名演で、フルトヴェングラーのスタジオ録音の中でもトップクラスの内容だと思う。
51年の1月の録音。
この曲だけで録音に5日間も費やしていて、フルトヴェングラーではかなり珍しいらしい。
フルトヴェングラーの欠点は、盛り上がりでの夢中になるあまりアッチェランドを掛けるところ作品によるが、僕は抵抗を感じることもある。
しかし、スタジオ録音の中では、53年のシューマンの交響曲第4番やようにテンポをあまり動かさず、彫りの深い表現も出来るので、もっと長生きしていたらと今更ながら思ってしまう。
その点、チャイコフスキーの交響曲第4番は、フルトヴェングラーのスタイルの過渡期的な51年の、しかもスタジオ録音ということで、テンポの動きも極端ではなく、冷静さを失う1歩手前で止めている(ように感じる)盛り上げが素晴らしい。
フルトヴェングラーの全人類の苦悩を一身に背負ったような重苦しい音楽は、チャイコフスキーととても相性が良いと思う。
ただ、残念がら録音が少なく、第4番はこの1曲だけ。
それだけに何か心に期すものがあったのだろうか、深い感動を残してくれました。
ハイドンも名演。
フルトヴェングラーはハイドンをあまり得意としていなかったか、録音は第88番と第94番”驚愕”しか残っていない。
この”驚愕”に関しては51年の録音ながら、晩年のスタイルでそこに生気を吹き込んだような演奏だ。第2楽章の遅いテンポで克明に描くスタイルが素晴らしい。
フルトヴェングラー ハイドン”驚愕”&グルック
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン – Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第94番 ト長調 「驚愕」 Hob.I:94
Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94, “The Surprise”
1.(07:06) I. Adagio cantabile – Vivace assai
2.(07:46) II. Andante
3.(04:06) III. Menuetto
4.(04:01) IV. Finale: Allegro di molto
total(22:59)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1951年1月11日・12日&17日
————————
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第4番 ヘ短調 Op. 36
Symphony No. 4 in F Minor, Op. 36
5.(19:18) I. Andante sostenuto – Moderato con anima
6.(10:19) II. Andantino in modo di canzona
7.(05:56) III. Scherzo: Pizzicato ostinato – Allegro
8.(09:20) IV. Finale: Allegro con fuoco
total(44:53)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1954年3月8日
ハイドン 交響曲第94番「驚愕」チャイコフスキー 交響曲第4番 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
制作者より
1951年1月、フルトヴェングラーはウィーンを訪れ、ベートーヴェンの第9公演や舞踏会の前後に、HMV(EMI)に録音を行いました。ちょうどこの頃、SP(78回転)からLPに以降する時代でしたが、このディスクに収録されたハイドンとチャイコフスキーは磁気テープが使用されており、当時としては最上の状態で収録されています。CD化に際し、テープに記録された情報量を最忠実に再現しました。(平林直哉)
キングインターナショナル
コメント