フルトヴェングラー 自作自演 交響曲第2番、他

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こんにちは、
ともやんです。

ヴィリヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)が亡くなって再来年で70年です。
わぁ、もうそんな経つんだと感慨深いものがあります。

なんと言っても僕が初めてフルトヴェングラーのLPを購入した1971年は、亡くなって17年という時、それからもう50年以上経つんですね。

当時は僕もまだ14歳でしたから、すでに過去の人という印象でしたが、逆に今ではより身近な存在と感じるのは時間に対する人の感じ方のおもしろさですね。

さて、今日は彼の自作自演の録音を聴いたのでコメントいたします。

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フルトヴェングラー 交響曲第2番について

ヴィリヘルム・フルトヴェングラーの録音の記録をまとめた貴重な本を僕は2冊所有しています。

一冊は『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』ジョン・アードイン著、藤井留美訳、もう一冊は『フルトヴェングラーの全名演名盤』です。

前書の中で面白い記述があります。
アルバン・ベルクが、マーラーと一度だけ短い会話を交わした時のものです。
マーラーは、ベルクに「指揮者になりたいか?」と問うた時にベルクが「とんでもない!」と返すと、

マーラーは、「作曲を志すなら、歌劇場のような魔界に足を踏み入れてはだめだ。」と答えたそうです。

ベルクとマーラーのこの会話は、1907年から1909年のどこかで交わされたと推測されるが、ちょうどこの頃、指揮者となったフルトヴェングラーは、痛いほど理解したのではないかと本には記されています。
つまりフルトヴェングラーは、元々、作曲家として身を立てるのが目的で、父の死によって経済的な理由から指揮者という職業を選択せざるを得なくなったのです。

だから本人は、生涯、指揮もする作曲家とみられることを望んでいたようです。

ただ指揮者として予想以上の名声を得ることとなり、演奏時間に多くの時間を取られ、生涯を通して作曲活動は行いましたが、作品自体は多くありませんでした。

またフルトヴェングラーの悲観的な性格からか、自分の作品に対して批判的である程度完成しても初演までにも長い時間を掛けことも作品の少なさに影響したようです。

交響曲第2番は、1944年から45年に掛けて作曲されましたが、上記のような理由から初演は1948年までずれ込みました。もっとも2年以上、演奏が禁止されていたことも影響があったのでしょう。

初演は、1948年2月22日にベルリン・フィルの定期公演で行われました。
ただ、残念ながら録音は残されていません。

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フルトヴェングラー 交響曲第2番 録音歴

フルトヴェングラーの自作自演による交響曲第2番の録音は、僕は5種類確認しました。

フルトヴェングラー 交響曲第2番 録音
①ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団
1948年10月18日ライブ

②ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1951年12月

③ヘッセン放送交響楽団
1952年12月15日

④ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1953年2月22日ライブ

⑤シュトゥットガルト放送交響楽団
1954年3月30日ライブ

今回聴いたのは、⑤の最後の録音です。
宇野功芳氏は、著書で「フィナーレは意味深さと美感を兼ね備え、曲自体の魅力を十二分に伝えているのである。」と記しています。

僕の印象は、
①長い ②意外と聴ける、です。

ブルックナー的な響きの厚みを持ち、雰囲気はブラームス、シベリウスをミックスしたような印象を受けました。

ただ演奏時間が80分を超すもので、正直、聴きながら何かをするならいいかなって感じでした。

ただ、聴いて損はないです。
なにかフルトヴェングラーの心の奥底を覗き込んだような印象です。

ぜひ、一度聴いてみてください。

なお、このCDには、ベートーヴェンの交響曲第1番も収録されていて、このは最晩年の枯れた名演です。

また、ハンス・ミュラー=クライとの7分程の対談も入っています。
フルトヴェングラーの肉声が聴かれます、

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フルトヴェングラー 交響曲第2番 ベートーヴェン 交響曲第1番

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (1886-1954)
交響曲第2番 ホ短調
Symphony No. 2 in E Minor

1.(24:02) I. Assai moderato
2.(12:25) II. Andante semplice
3.(16:56) III. Allegro – Moderato – Allegro
4.(28:27) IV. Langsam – Moderato andante – Allegro molto – Moderato – Langsam – Moderato – Presto
total(81:50)

シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)

—————————-

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第1番 ハ長調 Op. 21
Symphony No. 1 in C Major, Op. 21

5.(08:02) I. Adagio molto – Allegro con brio
6.(07:14) II. Andante cantabile con moto
7.(03:58) III. Menuetto – Allegro molto e vivace
8.(06:24) IV. Finale: Adagio – Allegro molto e vivace
total(25:38)

シュトゥットガルト放送交響楽団 – Stuttgart Radio Symphony Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)

― – na Not Applicable
6.(07:17) Hans Muller-Kray talks to Wilhelm Furtwangler
ハンス・ミュラー=クライ – Hans Muller-Kray (ナレーター)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (ナレーター)

フルトヴェングラー:交響曲第2番/ベートーヴェン:交響曲第1番(シュトゥットガルト放送響/フルトヴェングラー)(1954)

シュトゥットガルトのフルトヴェングラー、復活!
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーがシュトゥットガルト放送交響楽団を指揮した演奏会のライヴ録音が復活です。

フルトヴェングラーはベルリン・フィル、ウィーン・フィルの楽旅で度々シュトゥットガルトを訪問したものの、シュトゥットガルト放送交響楽団を指揮したのはこれが唯一。

自作の大作交響曲第2番をメインに据えているだけあって、気合十分の演奏です。もちろんベートーヴェンの交響曲第1番は素晴らしい名演。さらに、1948年から1969年まで20年以上の長きに渡ってシュトゥットガルト放送交響楽団の音楽監督を務めた名匠ハンス・ミュラー=クライとの対談も貴重。
キングインターナショナル

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