クナッパーツブッシュ ベートーヴェン 交響曲第3番”英雄” 4種類

クナッパーツブッシュ

こんにちは。
ともやんです。

クナッパーツブッシュの真価を知るには、ワーグナーとブルックナーと言われています。
ただ、僕個人としては、ブルックナーは、大好きですがワーグナーは、まだなかなか飛ぶこむことが出来ずにいます。

今年の目標としては、ワーグナーに親しみたいと思っています。

そんなことで、クナッパーツブッシュというとベートーヴェンをよく聴きます。

その中でも、クナッパーツブッシュは、第3番の”英雄”が、得意だったようで4種類の録音が残されています。

クナパーツブッシュ指揮のベートーヴェンの英雄は、
4種類の録音が残されています。

1943年3月31日-4月1日 ベルリンフィル(当録音)
1951年5月9日ライヴ ブレーメンフィル
1953年12月17日ライヴ ミュンヘンフィル
1962年2月17日-18日ライヴ ウィーンフィル

この1943年盤のみスタジオ録音で、それ以外はライブ録音です。

クナパーツブッシュの1943年の英雄

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音1943年3月31日-4月1日

1.(14:39) I. Allegro con brio
2.(15:07) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(04:14) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(11:22) IV. Finale: Allegro molto
total(45:22)

Maestro Energico

※残念ながら現在は、廃盤状態でAmazonで中古で入手可能です。
また、中古店で根気よく探されることをおすすめします。

1943年盤は、スタジオ録音ということもあり、しかもクナパーツブッシュも50代ということもあるのか第1楽章は早めのテンポで颯爽と展開します。

そして、第2楽章も提示部では淡々と進むのですが、展開部からクナパーツブッシュとベルリンフィルのメンバーたちの不満、不安、怒り、恨みが爆発します。

録音された時期は、43年3月は、ドイツの戦況も不利になりだした頃、
前月にはソ連軍の総攻撃で10万人近い捕虜を取られ降伏しています。

ここからドイツは転がるように転落して行きます。
狂った指導者は、焦土と化しても闘う姿勢を見せているし、国内の弾圧もより厳しくなって行きます。

クナパーツブッシュだって、ベルリンフィルのメンバーだって、明日の命の保証もありません。

そんな中での演奏。

破壊される祖国、居なくなる仲間たち、狂った指導者、何もできない自分たちと様々な感情が交錯してこんな演奏になったのでは、と僕は思わずにはいられません。

クナパーツブッシュ ベートーヴェン”英雄” 戦後の名演

上記のように43年の録音は、現在のところ入手が難しいようです。
また53年のブレーメン盤も難しく、53年盤と62年盤まだ手に入りやすいです。

クナッパーツブッシュ ブレーメンフィル ベートーヴェン”英雄” 1951年

クナパーツブッシュの英雄の録音で一番個性的なのは、
51年のブレーメンフィルとの演奏です。

僕がもう30年ほど前、LPで聴いて開始の2つの和音を聴いただけど
ぶっ飛んだ記憶があります。

最初の和音と2つ目の間が気が遠くなるように開いているのです。
しかもその間が息苦しくなるほどの緊張感が走っているのです。

そして2つの和音の後にうねる大蛇の様に流れる主題。
宇宙を遊泳するようなそのテンポ感覚。

ただ、さすがにこのテンポではもたないと早々に修正してきますが、
出だしからしばらくは象の背中に乗ったアリの心境で、どうなるのか、どこへ向かうのかと不安になるほどのぶっ飛び演奏でした。

ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」, 第5番「運命」; ハイドン: 交響曲第88番「V字」<タワーレコード限定>

※2020年2月4日現在、廃盤の様です。

クナッパーツブッシュ ミュンヘンフィル ベートーヴェン”英雄” 1953年

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 – Munich Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)

1.(16:10) I. Allegro con brio
2.(15:43) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(06:26) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(12:33) IV. Finale: Allegro molto
total(50:52)凄みも増したような印象です。

ブレーメン盤に比べ、オーソドックな表現で客観性が増したような演奏です。ただその分格調の高さが増し、

『ベートーヴェン:交響曲名演集(全ライヴ録音)』

クナッパーツブッシュ ウィーンフィル ベートーヴェン”英雄” 1962年

交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 17 February 1962, Musikverein, Vienna, Austria

1.(17:48) I. Allegro con brio
2.(17:28) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(07:04) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(14:21) IV. Finale: Allegro molto

1962年の「英雄」は4種類ある同曲の演奏の中でも最晩年の演奏で、ゆったりとしたテンポに載せて悠々と歌われていくベートーヴェンはとりわけ味わい深いものです。

ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番、交響曲第3番&第7番、他 ハンス・クナッパーツブッシュ

まとめ

クナパーツブッシュという人は、改めて凄い人だった思います。

戦後の“英雄”の演奏は、ぶっ飛びもののユニークな演奏で、ベートーヴェンの交響曲の演奏史に異彩を放っています。

クラシック愛好家にはそちらが話題になることが圧倒的に多いようですが、ぜひ、戦前のベルリンフィル盤を聴いてください。

クラシック音楽を普通に楽しめる平和な時代がどんな素晴らしいかを
認識させてくれます。

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