クレンペラー チャイコフスキー交響曲第5番 甘美さなしシリアスな名演

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こんにちは。
ともやんです。

クレンペラーのチャイコフスキー交響曲第5番を聴きました。
これがなかなかいいのです。

僕は、もう何年も前に第4番から第6番”悲愴”までの後期3大交響曲が収録されている輸入盤を購入しましたが、数回聴いてそのままにしていました。

しかし、今回改めて第5番を聴いて、これは凄い演奏だと感銘を受けました。

第1楽章が割と淡々と展開しますが、第2楽章以降が素晴らしい。

第2楽章は、弦の伴奏に乗りながらのホルンの悲しい響きが堪りません。
とてもロマンティックな楽章ですが、寂寥感の中に木管がチャーミングに絡んでくる様や弦楽器の配置の関係か、旋律の受け渡しの妙を堪能できます。

第3楽章は、チャーミングな弦の掛け合いが素敵です。
クレンペラーは弦楽器の配置を終生、向かって左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリンとしていたそうですが、これだと第1と第2ヴァイオリンの掛け合い
がよくわかります。

終楽章は、その各パートの動きがよくわかる刻明を極めた演奏で、クレンペラー晩年に到達した境地を感じます。

クレンペラーのチャイコフスキーもぜひ聴いてください。なお第4番、第6番に関しては改めてコメントします。

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オットー・クレンペラー チャイコフスキー交響曲集

クレンペラーによるチャイコフスキー交響曲集は、Otto Klemperer: Romantic Symphonies & OverturesというCD10枚組に収録されています。

ここに収録されているシューベルト、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、シューマン、フランク、チャイコフスキー、ドヴォルザークの交響曲はどれも素晴らしい演奏です。
しかも値段もリーズナブルなので買っても損はないと思います。

さて、上記チャイコフスキー以外は、音楽誌、評論家などから高い評価を受けています。
例えば、宇野功芳氏は、ベルリオーズの幻想交響曲、メンデルスゾーンのスコットランド、シューマンの第1番、フランクのニ短調交響曲、ドヴォルザークの新世界よりは、絶賛しています。

しかし、ことチャイコフスキーに関しては、宇野氏はじめ他の評論家からもコメントされているのを見たことがありません。

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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64
Symphony No. 5 in E Minor, Op. 64

1.(13:48) I. Andante – Allegro con anima
2.(12:19) II. Andante cantabile con alcuna licenza
3.(06:30) III. Valse: Allegro moderato
4.(13:11) IV. Finale: Andante maestoso
total(45:48)

フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)

シューベルト・メンデルスゾーンは王道。特にスコットランドは最高!幻想・フランクも新発見があります。ドヴォルザーク・チャイコフスキーはスラブテイストがありませんが、これはこれでありかも。ウェーバーやシュトラウスの小品も、なんでこんなに真剣にという感じです。値段といい、クレンペラーを聴いたことのない人にもおすすめ。

 

どれもこれまで絶賛された?名演ばかり。それがこの値段!買わなきゃ人生の一大痛恨事!中でも、ベルリオーズ、チャイコは誰にも出来ない最高の名演!ただチャイコの6番の途中切れは残念!満点!

以上タワーレコードより

まとめ

クレンペラーは、もともとレパートリーの広い人だったようです。
壮年期には、現代音楽もかなり指揮しています。

壮年期の演奏を聴くと、テンポも速く即物的な演奏を聴くことが出来ます。
しかし、後年テンポは遅くなり、刻明に描くことで曲の真髄に迫ろうという演奏スタイルに変わってきました。

このチャイコフスキーもまるでベートーヴェンのように響きます。特に第5番の終楽章は、部分を切り取って聴くと多分、ベートーヴェンかブラームスと感じるのではないでしょうか?

チャイコフスキーから甘美さを取り除いたシリアスな演奏ですが、これはこれで楽しめる演奏になっているのが、クレンペラーの至芸と思います。

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