こんにちは。
ともやんです。
フルトヴェングラー指揮ウィーンフィルによるチャイコフスキー交響曲第4番が素晴らしいです。ぜひ聴いてみてください。
フルトヴェングラーのチャイコフスキー交響曲の録音は、第4番から第6番までありますが、今日ご紹介する第4番が最高です。
というのも第5番は、トリノ・イタリア放送響で、オケも劣るしフルトヴェングラーの表現もいまいちで、52年なのに録音も冴えません。
また第6番”悲愴”は、ベルリンフィルで2種類あり、1938年の戦前の録音と’51年のエジプト、カイロでの実況録音盤です。
僕は、38年の録音しか聴いていませんが、宇野功芳氏は、カイロ盤の方がずっといいとコメントしています。
そして第4番は、フルトヴェングラーとしては珍しくスタジオ録音でしかも録音に5日間も要したというだけあって、演奏内容も録音もよく、フルトヴェングラーのチャイコフスキー交響曲の決定盤です。
フルトヴェングラー チャイコフスキーの名演 交響曲第4番
フルトヴェングラーとウィーンフィルによるチャイコフスキーの交響曲第4番は、スタジオ録音ながらフルトヴェングラーの個性満載の名演です。
演奏は第1楽章のホルンとファゴットの強奏からして味が濃く、ぐっと惹きつけられます。そして展開部では得意のアッチェレランドで盛り上げます。
一方、第二主題では、伴奏部分にも意味ありげな動きで全体的に濃厚な演奏です。
第2楽章は、フルトヴェングラーの真骨頂で、冒頭のオーボエの音、それに続く弦の音の哀しさときたら、そのやるせなさに胸が締め付けられます。
弦の表情豊かな表現で充実した内容の楽章になっています。
第3楽章は、遅めのテンポで刻明に描いたピチカートで、こちらも刻々変わる表情がたまりません。
終楽章は、緩急自在な演奏で、ウィーンフィルにアンサンブルの妙技が堪能でき、各パートをめいいっぱい鳴らした胸のすく演奏です。そしてコーダはフルトヴェングラーならではアッチェレランドで終結部に突入していきます。
ただ、個人的には素っ気なく終わる感じがして人によって好みが別れるかもしれません。
フルトヴェングラー&ウィーンフィル チャイコフスキー第4交響曲 おすすめ
フルトヴェングラーの深刻癖で厭世的にしてロマンティックな気質は、チャイコフスキーにピッタリだと思うですが、録音が少ないのが残念です。
その中では、このスタジオ録音の第4交響曲は、おすすめの名演です。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第4番 ヘ短調 Op. 36
Symphony No. 4 in F Minor, Op. 36
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1951.1.4-10、2.16
1.(19:05) I. Andante sostenuto – Moderato con anima – In movimento di valse
2.(10:11) II. Andantino in modo di canzone
3.(05:52) III. Scherzo: Pizzicato ostinato – Allegro
4.(09:06) IV. Finale: Allegro con fuoco
total(44:14)
弦楽セレナード ハ長調 Op. 48
Serenade in C Major, Op. 48
【SACDハイブリッド】 チャイコフスキー:交響曲第4番&「弦楽セレナード」より
まとめ
チャイコフスキーが苦手だと公言していた宇野功芳氏もこのフルトヴェングラー&ウィーンフィルの第4交響曲の演奏に関しては高評価です。
一部そのコメントから引用します。
演奏は素晴らしく、彼のデーモニッシュで劇的な感動が最大限にまで発揮されている、フルトヴェングラーの持つ、全人類の苦悩を一身に背負ったような重苦しい性格は、ドイツ音楽に対するのと同様、チャイコフスキーにも適しているが、その中でも「第四」や「悲愴」のような厭世的な曲にはぴったりといえよう。
個人的には、録音の良さも含めて鑑賞用としてはトップクラスのCDだと思います。
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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