こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラーのライバルと言われるヘルベルト・フォン・カラヤン。
いやライバルというのはどうだろうか?
1886年生まれのフルトヴェングラーと1908年のカラヤンでは、親子ほど年齢が違います。
でも特にフルトヴェングラーの方が、カラヤンを特に意識していた印象です。
しかし、こと第九の演奏回数に関しては、長命だったカラヤンよりフルトヴェングラーの方が、多く演奏しています。
カラヤンは75回、フルトヴェングラーは103回第九を指揮しました。
第九に関しては、フルトヴェングラーには8種類の録音が残されています。
ただ残念ながらセッション録音はありません。
この部分だけは、カラヤンが5回と圧倒しています。
フルトヴェングラー 第九 1953
フルトヴェングラーは、1954年11月30日に肺炎で68年の生涯を閉じています。
先輩であるトスカニーニ、ワルター、そして同世代のクレンペラーに比べかなり短命でした。
しかも53年、54年の前半は、まるで憑りつかれたようにコンサートをこなしていました。
今回紹介する53年5月31日の公演ライブも5月29日から6月1日までの4日間で5回も第九を振っています。
つまり31日は2回も振っているのです。
そんな中でのライブ録音です。
特に第3楽章は、宇野功芳氏は全ての指揮者が束になっても敵わない素晴らしと表現しています。
フルトヴェングラーの第九というと、51年のバイロイト盤が有名ですが、これに52年2月3日のウィーンフィルとのライブを加えた3種類は必聴の名演です。
フルトヴェングラー 第九 ウィーン・フィル 1953
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
1.(18:36) I. Allegro ma non troppo e un poco maestoso
2.(12:43) II. Molto vivace
3.(19:32) III. Adagio molto e cantabile
4.(25:48) IV. Finale: Presto – Allegro assai – Andante maestoso – Allegro energico, sempre ben marcato
total(76:39)
イルムガルト・ゼーフリート – Irmgard Seefried (ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ – Rosette Anday (アルト)
アントン・デルモータ – Anton Dermota (テノール)
パウル・シェフラー – Paul Schoffler (バス)
ウィーン・ジングアカデミー – Wiener Singakademie
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 31 May 1953, Vienna, Austria
ウィーン芸術週間の第九 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
「12~13種類、全曲演奏音源がある」と言われているフルトヴェングラーの第九のなかでも、「『ルツェルンの第九』と並んで最も音の状態がよい」といわれている「1953年5月31日ウィーン芸術週間開会演奏会の第九」。
原盤は1990年に日本フルトヴェングラー協会から会員向けに頒布された2枚組CD(WFJ-10/11)。「とにかく音がいい、臨場感たっぷりと響く」とファンから大きな評判を呼んでいた協会盤を2014年にキング関口台スタジオでリマスタリングして市販盤として発売(キングレコードKICC-11159/60)。
今回、カップリング曲であったベートーヴェンの1番(1952年11月30日)をのぞき、「第九」のみ1枚にしてUHQCD仕様でキングインターナショナルから再発売。
演奏前、楽章間のインターバルもそのまま収録。臨場感もたっぷりに生々しく響くウィーン・フィルの弦!第3楽章「アダージョ」はあのバイロイト盤をもしのぐ感動を与えてくれます。
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