こんにちは、
ともやんです。
6月24日から発売され、好評の村上春樹の新刊『古くて素敵なクラシック・レコードたち』。
クラシック音楽のマニアとして知られる村上春樹さんが、自ら膨大なクラシック音楽作品から100曲を選び、それぞれの数枚のLPレコードを紹介するという企画です。
しかも紹介するLPは、全てご自身が所有する数万枚から厳選したものだということで興味を惹かれます。
また100曲に対して紹介するLPは486枚にものぼります。
ハッキリ言ってこの本で紹介しされている録音を全て聴くとなると1日1枚聴いたとしても1年半は掛かります。
またまた楽しみが増えてしまいましたね。
さて、選ばれた100曲の中で、このブログで取り上げる巨匠が揃って取り上げている曲にブラームスのヴァイオリン協奏曲があります。
メニューイン&フルトヴェングラーとオイストラフ&クレンペラーです。
さて、聴き比べてみました。
メニューイン&フルトヴェングラー ブラームス ヴァイオリン協奏曲
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77
Violin Concerto in D Major, Op. 77
1.(22:10) I. Allegro non troppo
2.(09:57) II. Adagio
3.(08:00) III. Allegro giocoso, ma non troppo vivace
total(40:07)
ユーディ・メニューイン – Yehudi Menuhin (ヴァイオリン)
ルツェルン祝祭管弦楽団 – Lucerne Festival Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1947年8月29日
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲&ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ルツェルン祝祭管弦楽団 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2011年に”ヴィルヘルム・フルトヴェングラー生誕125周年記念企画”としてリリースされたリマスターSACD(ハイブリッド)シリーズの通常盤。本作は、名匠フルトヴェングラーの揺るぎない指揮ぶりが満喫できるブラームスの協奏曲集。
オイストラフ&クレンペラー ブラームス ヴァイオリン協奏曲
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77
Violin Concerto in D Major, Op. 77
1.(22:31) I. Allegro non troppo
2.(09:47) II. Adagio
3.(08:25) III. Allegro giocoso, ma non troppo vivace
total(40:43)
ダヴィッド・オイストラフ – David Oistrakh (ヴァイオリン)
フランス国立管弦楽団 – French National Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
Recorded: 17-19, VI. 1960. Salle Wagram, Paris
ダヴィド・オイストラフ オットー・クレンペラー フランス国立管弦楽団
ヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフと指揮者オットー・クレンペラーによる歴史的名盤。持ち前の美音を駆使して大家の芸を繰り広げるオイストラフを、クレンペラーは雄大なスケールで支え、風格ある中にも美しい限りのブラームスが展開される。共演はフランス国立放送局管弦楽団。
まとめ
フルトヴェングラー、クレンペラーの順で聴きました。
まず、はっきり分かるのが、ダヴィッド・オイストラフの技術の確かさです。
録音のせいなのか、なにかメニューインの方が、線が細く揺らぎがあるように感じます。揺らぎと言うか情感を込めているというのか、何か不安定さを感じるのです。
これは、メニューインだけを聴いているとあまり感じませんが、すぐ後にオイストラフを聴くとヴァイオリニストとしての技巧の確かさでは、オイストラフには敵いません。
それほどオイストラフの堅固な技巧が際立っています。
伴奏の方でもクレンペラーとフランスのオケの組み合わせはどうなんだろうと思っていましたが、両者の長所が出ているようで、堅固な構成の中に明るい色彩が煌めいて、重厚過ぎないブラームスを聴くことが出来ます。
フルトヴェングラーも第一楽章前奏の有機的な響きに個性を感じますが、フルトヴェングラーとしては大人しい表現に終わっています。
コメント