こんにちは、
ともやんです。
セザール・フランク(1822-1890)は、フランスの作曲家とされていますが、出身はベルギーのリエージュです。
リエージュはベルギーの東部、しかもドイツとオランダの国境も20~30キロ程度の場所です。ただ、これは現在の国境であり、フランクが生きた19世紀はもっと激動だったと思います。
フランクと交響曲ニ短調
多分、クラシックを多少聴いた人なら、フランクの曲を聴いてフランスの作曲家?と言われたら少しは異質な感じを受けると思います。
ラヴェルやドビュッシーから感じる自由さや色彩感が違うなぁ、と感じると思います。
僕もそうでした、最初に聴いたのが多分交響曲だったのですが、暗く重いイントロから、なにかブラームスを連想させる重厚な印象があります。
フランクは、地元リエージュの音楽院で音楽を学び、はやくからその才能を発揮し、パリに移りパリ音楽院でいっそうの研鑽を積みました。
パリでは、サン・クロティルド教会のオルガニストを終生つとめ、地味ながら着実に独特の影響を多方面に与えました。
また教育面では、ダンディ、ショーソン、デュパルクなどの作曲家は、フランキストと呼ばれ独自の活動を行いました。
フランクは敬虔なカトリック教徒でした。バッハからのドイツ音楽の影響を受けながらフランスの近代音楽にも融合させることに功績を残しています。
フランクが自身唯一の交響曲を完成させたのが、1888年。11歳も年下のブラームスは既に最後の交響曲第4番を発表したのに、フランクは60歳を越えてから自身の最高傑作とも言える交響曲を書き上げたのです。
まさに大器晩成のフランクも面目躍如です。オルガン風の重厚な響きに、ベートーヴェン的な「苦悩を通して歓喜へ」半音階や転調が巧みに用いられ、作品に深い奥行きを持った曲に仕上がっています。
地味ながら内容の充実度を考えると同類的なブラームスの交響曲と比肩する傑作です。
トスカニーニがフランクの交響曲を指揮
往年の巨匠では、フルトヴェングラー、クレンペラーがフランクの交響曲の名演を残しています。重く暗く重厚な曲想には、ぴったりの芸風を持つ指揮者だと思います。
フランク:管弦楽作品集(NBC響/トスカニーニ) |
一方、トスカニーニはどうでしょうか?
トスカニーニも放送用録音で残しています。
CDでは、悉く廃盤になっていて残念ですが、快刀乱麻な明快な演奏が素晴らしいです。
トスカニーニ フランク 交響曲ニ短調
セザール・フランク – Cesar Franck (1822-1890)
交響曲 ニ短調 M. 48
Symphony in D Minor, M. 48
1.(19:16) I. Lento
2.(09:05) II. Allegretto
3.(09:48) III. Allegro non troppo
total(38:09)
NBC交響楽団 – NBC Symphony Orchestra
アルトゥーロ・トスカニーニ – Arturo Toscanini (指揮)
録音: 14 December 1940, Studio 8-R, RCA Building, New York
https://amzn.to/3DIikZ3
↑
Amazonで中古CDが入手可能です。
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」&フランク:交響曲二短調
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」&フランク:交響曲二短調 アルトゥーロ・トスカニーニ
頼みのタワーレコードでも取り扱いがないようで残念ですが、一応以下お伝えしておきます。
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」&フランク:交響曲二短調
アルトゥーロ・トスカニーニ・ベスト・セレクション・シリーズ。NBC交響楽団の演奏によりサン=サーンス、フランク作品を収録したアルバムを再発売。
コメント