こんにちは、
ともやんです。
クナッパーツブッシュ、62年のライブから、モーツァルトとベートーヴェンを聴きました。どちらも標準的、洗練されたといは程遠い演奏ですが、なぜか格調の高さを感じさせます。
クナッパーツブッシュの演奏は、破天荒ではありますが、どこか静的で泰然としています。
それは、どこか演奏する曲を真っすぐに見るとよりも違う角度から覚めて目で見ているような感じを受けます。
だからワーグナーやブルックナーでは、名演が生まれます。
しかし、古典的でピュアな曲になるとどうも勝手が違う印象を受けます。
そんなクナッパーツブッシュが得意とは言えないモーツァルトとベートーヴェンのライブ録音を聴いたのでレビューしたいと思います。
クナッパーツブッシュ モーツァルト クラリネット協奏曲
クラリネットソロのヴォルフガング・シュローターは、ミュンヘンフィルの首席奏者で室内楽でも活躍した人で、堅実な演奏。むしろ、クナッパーツブッシュの雄大はモーツァルトを聴く演奏で、モーツァルトの優雅さやチャーミングな部分が皆無な演奏です。
だから遅めのインテンポの演奏は、聴いているとモーツァルトであることを忘れていしまいます。なにかクラリネットのソロを伴った一大管弦楽曲を聴いている錯覚におちいります。
かと言って、いやだからか格調の高さが目立ち、沈着冷静な静的でシニカルな演奏になっています。
クナッパーツブッシュ ベートーヴェン”運命”
クナッパーツブッシュのベートーヴェンの傑作、交響曲第5番ハ短調、俗称”運命”こそ、彼の真骨頂が発揮された演奏だと思います。
この曲が持ち概念や先入観を全て取っ払って、冷静に、いや覚めた目で、「運命?それがどうした」という感じで、淡々と演奏しているのです。
そのようなスタイルとしては、クレンペラーを思わせますが、クレンペラーの演奏からは、奥深くに眠る熱い魂の響きを感じます。つまり真正面に曲と向き合っている感じが伝わってきます。
しかし、クナッパーツブッシュの演奏からは、もっと他人ごとのように、よく言えば客観的に感じるのです。かと言って真摯に演奏していて、聴衆へのサービスも忘れてはいません。
ベートーヴェンの交響曲というネタで台本を書き、その通りで沈着冷静に演じていると印象を僕は受けます。これは、大学で哲学を学んだ知性派だから出来る演奏なのでしょうか?
もっと、クナッパーツブッシュの演奏をたくさん聴いてみないと結論はでないと思います。
クナッパーツブッシュ ライブ 1962年 ミュンヘン
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
Clarinet Concerto in A Major, K. 622
1.(13:30) I. Allegro
2.(07:03) II. Adagio
3.(10:29) III. Rondo: Allegro
total(31:02)
ヴォルフガング・シュローター – Wolfgang Schloter (クラリネット)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 – Munich Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 1962, Live Recording, Munich, Germany
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
4.(09:53) I. Allegro con brio
5.(12:22) II. Andante con moto
6.(12:12) III. Allegro
7.(05:55) IV. Allegro
total(40:22)
フランクフルト放送交響楽団 – Frankfurt Radio Symphony Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 1962, Live Recording
モーツァルト:クラリネット協奏曲 K. 622/ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」(シュローター/クナッパーツブッシュ)(1962)
1962年1月6日、ハンス・クナッパーツブッシュがミュンヘン・フィルを指揮した演奏会からモーツァルトのクラリネット協奏曲を、1962年3月20日、ヘッセン放送交響楽団を指揮してのベートーヴェン交響曲第5番を収録。この録音は、これまで出ていた盤では音質上で問題がありましたが、この度慎重にデジタルリマスターされ、真の演奏を聴くことができるようになったとのことです。
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