クレンペラー ニューヨークフィルとのブルックナー交響曲第9番

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こんにちは。
ともやんです。

珍しい、オットー・クレンペラー指揮ニューヨークフィルハーモニックの演奏によるブルックナー交響曲第9番。

1934年10月14日ニューヨークのカーネギーホールでのライブがラジオ放送されたものです。
オリジナル盤では、ラジオ放送のナレーションも入っています。

さて、この録音が1934年、しかもアメリカ合衆国のオーケストラニューヨークフィルとの共演というのが珍しいですが、クレンペラーは、前年の33年にアメリカの亡命して、ロサンゼルスフィルの音楽監督に就任しています。

その経緯は、1933年1月30日のドイツにヒットラー政権が樹立したことが最大の原因です。

当時、クレンペラーは48歳。1920年代からベルリンで指揮する人気指揮者の1人でした。
ところがここに事件が起きました。
2月12日夜、プロイセン州立歌劇場でワーグナーの『タンホイザー』が新演出で上演されました。

ところが、第三幕のためにクレンペラーがオーケストラピットに登場すると、拍手と怒号が行きかい大騒ぎとなり、なかなか始められませんでした。怒号はナチスによる妨害だったのです。

また、ナチスの息のかかった新聞では、クレンペラーの公演は酷評されました。
クレンペラーはユダヤ系だったのです。それゆえの妨害であり批判でした。

この事件は、音楽の世界にナチスが公然と介入した最初の事件でした。

 

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クレンペラー アメリカに亡命後 ニューヨークフィルとのブルックナー

上記の事件により、クレンペラーは亡命を余儀なくされ、アメリカへの亡命しました。
この辺の経緯は、改めて調べて記載したいと思います。

クレンペラーは、33年から39年まで音楽監督を務め、当オケの技術と音楽性の向上に努めました。

その間、ニューヨークなど各地を客演していました。
この演奏はその時の録音です。

70年にニュー・フィルハーモニアと録音したスタジオ録音と比べると明らかにテンポは早く、演奏時間は10分も違います。またライブということもあり力強く覇気溢れるものです。

アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・オーレル版)
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. A. Orel)

1.(22:21) I. Feierlich, misterioso
2.(09:46) II. Scherzo: Bewegt, lebhaft – Trio: Schnell
3.(22:50) III. Adagio: Langsam, feierlich
演奏total(54:56)

ニューヨーク・フィルハーモニック – New York Philharmonic Symphony Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 14 October 1934, Carnegie Hall, New York City

この演奏は、次のセットのCD72枚目に収録

Otto Klemperer The Collection オットー・クレンペラー

「クレンペラーの演奏には、冷めたところ、口当たりの良さを排したところが常にあり、聴く者を安楽椅子で夢心地にさせるのではなく、覚醒させ考えさせる」と評したのはドイツの作曲家パウル・デッサウ[1894-1979]。
クレンペラーの友人の哲学者、エルンスト・ブロッホ[1885-1977]も次のように語っています。
「不思議なパラドクスで、彼自身はまったく論理的な人間ではない。ところが指揮をはじめるやいなや、とたんにものすごく論理的になるのです。同時に非情動的で、衝動性も陰気さもなく、なんといっても甘味、消費にもってこいの甘味が皆無なのです。」

たしかにクレンペラーは、美しく整えられた外観や、豊かな情感表現といったものにはあまり興味が無かったようです。楽譜の情報を徹底的に掘り起こすために、旋律・リズム・動機などの諸要素を克明に示し、結果として楽曲構造が常に見通し良く浮かび上がるというクレンペラーならではの流儀は、抽象的な美感ともいうべき独特の魅力を生み出していたようにも思います。

このセットに収められたクレンペラーの非商業録音は49歳から78歳にかけてのもので、実際の音でそうした影響を検証できるのも便利です。たとえばマーラーの『復活』は4種類、ベートーヴェンの『運命』は5種類聴くことが出来るので、比較してみるのも面白いかもしれません。
以上、HMVの解説からの抜粋

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クレンペラーのブルックナー交響曲選集

クレンペラーは、’60年から’70年に掛けてブルックナーの交響曲を6曲ステレオ録音しています。ただクレンペラーは、以前よりブルックナーを録音したかったようで、ウォルター・レッグと対立していました。

というのも1920年代からドイツ、オーストリア圏内では、ブルックナーがよく取り上げられており、クレンペラーはもちろん、フルトヴェングラーもよく演奏していました。

ところがイギリスではいまひとつ人気がないので、ウォルター・レッグがセールス的に見込めないと踏んで、第4番と第7番以外は、録音の許可を出しませんでした。

しかし、レッグが去り、フィルハーモニア管弦楽団が、自主運営としてニュー・フルハーモニア管弦楽団として活動を再開すると、クレンペラーは、すぐ第6番を録音してそのブルックナーへの思いの強さがわかります。

70年、スタジオ録音の第9番ぐっとテンポが遅くなり、楽譜に書かれた音の情報を全て克明に再現した演奏で、荘厳さは格別です。

アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. L. Nowak)

1.(26:43) I. Feierlich, misterioso
2.(11:23) II. Scherzo: Bewegt, lebhaft
3.(27:12) III. Adagio: Langsam feierlich
total(65:18)

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 – New Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
6-7 & 18-21 II. 1970, Kingsway Hall, London

Bruckner: Symphony No.4-No.9<限定盤>

【SACDハイブリッド】 ブルックナー: 交響曲第4-9番<タワーレコード限定>

1960年から70年にかけて旧EMIレーベルに録音を行った、クレンペラーの全6曲のブルックナー音源をSACDハイブリット化!第6番以外は今回が世界初SACD化。ようやく演奏の真価が発揮される高音質で蘇りました。再評価されるべき重要な遺産です。虚飾されていない、真のブルックナー像は今でこそ重みがあります。今回、あらためて現況での最高音質を目指し最新の復刻を行いました。英国にあるオリジナル・アナログ・マスターテープから96kHz/24bitでデジタル化したマスターを用い、SACD層、CD層別々にマスタリング。新規解説付。永久保存盤です。1,000セット限定のシリアル・ナンバー付。

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