フルトヴェングラー 4種の第九 ターラ編

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こんにちは、
ともやんです。

宇野功芳氏の「フルトヴェングラーの全名演名盤」著書によると、フルトヴェングラーのベートーヴェンの第九の録音は、8種類残されているとのことです。

一番古いものは、1937年5月1日にロンドンのクィーンズ・ホールで行われたジョージ六世の戴冠式祝典コンサートのライブ録音です。

オーケストラは当時首席指揮者を務めていたベルリンフィル。

そして一番最後が、1954年8月22日のルツェルン音楽祭におけるフィルハーモニア管とのライブ録音です。

なお、残されている8種類すべてライブ録音ということです。

ところが、タワーレコード・オンラインショップをチェックしていると、実は13種類CD化されているということです。

それにょるとフルトヴェングラーの第九は、1937年から亡くなる1954年までの17年間に演奏された全曲演奏で13種類の録音がCD化されたそうです。

その中でも特筆すべき演奏はつぎの4種。

「ベルリンの第九」として知られる1942年3月のベルリン・フィルとの公演、これは大戦中の緊迫感に満ちた劇的な爆演として有名です。

「ストックホルムの第九」は同じく大戦中にストックホルム・フィルに客演、巨匠の手腕を証明する凄演です。

「1952年ウィーンの第九」はムジークフェラインでのウィーン・フィルとの公演、これは宇野功芳氏が『部分的には「バイロイトの第九」よりも上、彼のベストではないか』と評したように、第3楽章など至高絶美の演奏といっても過言ではありません。

そして「ルツェルンの第九」1954年のルツェルン音楽祭公演、これはフルトヴェングラー最晩年の深い思索と境地を感じさせる感動的名演です。

その中から、「ルツェルンの第九」を聴きました。

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フルトヴェングラー ルツェルンの第九

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Ludwig van Beethoven (1770-1827)

交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller

Ⅰ(17:54)Allegro ma non troppo, un poco maestoso
Ⅱ(11:56)Molto vivace
Ⅲ(19:34)Adagio molto e cantabile – Andante moderato
Ⅳ(25:03)Presto-Allegro assai
total(74:55)

エリーザベト・シュヴァルツコップ – Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
エルザ・カヴェルティ – Elsa Cavelti (コントラルト)
エルンスト・ヘフリガー – Ernst Haefliger (テノール)
オットー・エーデルマン – Otto Edelmann (バリトン)
ルツェルン祝祭合唱団 – Lucerne Festival Choir
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 22 August 1954, Lucerne

フルトヴェングラー、4種の「第九」(ターラ編)

フルトヴェングラーの第九では、なんといっても51年のバイロイト音楽祭でのライブ録音が有名で、僕も永遠の残る録音だと思います。

でも、僕はどうしてこの最後の第九に心が惹かれます。

亡くなる約3か月前の録音、当時のフルトヴェングラーは、それを知ってか知らぬか、生き急ぐように多忙な日々を送っていました。

この第九はそんな時の録音で、最晩年のスタイルでフルトヴェングラーの演奏としては、かなりおとなしいものですが、その変わり、内省的な味わいでは傑出しています。

第一楽章から、なにか深い世界に入り込んでいくような、人生とは何か、生きるとは何かなど哲学的思考に入っていく自分に気づきます。

また、今回聴いてCDは音質もとてもいいので驚きました。

僕は、フルトヴェングラーの第九では、バイロイト祝祭管との歴史的名盤は別格として、このフィルハーモニア管との録音に、一番愛着を感じます。

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