オットー・クレンペラー 秘蔵音源集 1955&1958

クレンペラー

こんにちは、
ともやんです。

ICA Classicsレーベルからのオットー・クレンペラーの秘蔵音源集のCD化です。

55年のBBC響とのモーツァルトとブラームスは初出。
ベートーヴェンもほぼ初出の様です。

しかも55年から58年というのは、クレンペラーに取っては、もっとも充実していた期間で、後年60年代のフィルハーモニア管とのステレオ録音にはない、躍動感と覇気に溢れています。

スポンサーリンク

クレンペラー 55年から58年もっとも充実していた時期

秘蔵音源集では、なんと言っても感銘深いのは、ベートーヴェン。
翌年に録音されたフィルハーモニア管とのセッション録音と比べて5分も演奏時間が短く、ライブならでは高揚感の高い演奏です。

特に終楽章の終結部向かうあたりから、
「これが、クレンペラー!?」
と思うほど、アッチェランド気味にテンポを速め、高い高揚感を実現しています。

クレンペラーは、51年にモントリオール空港でタラップから転落し、大腿部分を複雑骨折し、しばらく演奏活動が出来ませんでした。

しかもなんとか指揮が出来るまで回復すると、今度はパスポートの問題で、出国できない事態になったりしました。ようやく53年暮れにパスポートが発行され、54年からはヨーロッパで演奏活動を始めることが出来ました。

また、住まいもスイスのチューリッヒに構え、腰をすえ演奏活動に集中できる環境となりました。

55年までは、生活に車椅子を必要とし、その後も歩行には杖を使っており、演奏時は、椅子に座って指揮を行っていました。

そのためか結果として、1954年以降はかつてのような快速テンポは影を潜め、その芸風は冷静なコントロールの効いたバランスの良いスタイルに変化しています。

そのため、スピード感や興奮と引き換えに、力強さや緊張感のいっそうの向上が認められ、造形的な打ち出しの強さも比類が無いという、まさにベストと思われる状態に到達しました。

スポンサーリンク

クレンペラー 秘蔵音源集 モーツァルト、ベートーヴェン&ブラームス

一般的には、EMIと契約し、ステレオ録音がスタートし、特に60年以降の録音に傑作が多いとされますが、僕は55年から58年の録音がモノラルもありますが、もっとも充実していると思っています。

なんと言っても力強さと躍動感と覇気が溢れています。70歳のクレンペラーはまだまだ元気だったのです。

そういう意味では、この秘蔵音源は、貴重な録音です。

しかもこのライブ録音の直後、クレンペラーは、また災難に見舞われました。寝たばこの不注意で大やけどを負ったのです。そして1年近い療養が続き、それ以降、後年の悠揚迫らぬ泰然としたスタイルになりました。

でも僕は、50年代70歳のクレンペラーの覇気溢れる演奏が好きです。

スポンサーリンク

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第25番 ト短調 K. 183
Symphony No. 25 in G Minor, K. 183

1.(06:23) I. Allegro con brio
2.(03:52) II. Andante
3.(03:35) III. Menuetto – Trio
4.(04:51) IV. Allegro
total(18:41)

BBC交響楽団 – BBC Symphony Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 14 December 1955, BBC Studios, Maida Vale, London, United Kingdom

=======================

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

5.(07:58) I. Allegro con brio
6.(09:58) II. Andante con moto
7.(05:29) III. Allegro
8.(10:37) IV. Allegro
total(34:02)

フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 24 August 1958, Usher Hall, Edinburgh, Scotland, United Kingdom

=======================

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ドイツ・レクイエム Op. 45
Ein deutsches Requiem (A German Requiem), Op. 45

1.(09:27) I. Selig sind, die da Leid tragen
2.(12:57) II. Denn alles Fleisch es ist wie Gras
3.(08:48) III. Herr, lehre doch mich
4.(05:28) IV. Wie lieblich sind deine Wohnungen
5.(06:00) V. Ihr habt nun Traurigkeit
6.(10:51) VI. Denn wir haben hie keine bleibende Statt
7.(10:12) VII. Selig sind die Toten
total(63:43)

作詞 : 聖書 – Bible
エルフリーデ・トレチェル – Elfriede Trotschel (ソプラノ)
ハンス・ヴィルブリンク – Hans Wilbrink (バリトン)
BBC交響合唱団 – BBC Symphony Chorus
BBC交響楽団 – BBC Symphony Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 9 December 1955, BBC Studios, Maida Vale, London, United Kingdom

オットー・クレンペラー秘蔵音源集1955&1958

英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、リチャード・イッター(1928-2014)。
彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた、貴重なコレクションからCD化するシリーズ第4弾。今回はベートーヴェンのみ、個人コレクターの音源から収録されています。
クレンペラーの第2集となるこのアルバムは、BBC響とのスタジオ・ライヴのモーツァルトとブラームスが初出、ベートーヴェンもかつてマイナーレーベルでリリースされた形跡があるものの、ほぼ初出に近いものです。ライヴならではの高いテンションが特徴で、ベートーヴェンに至っては、翌1959年のスタジオ録音より5分以上も早くなっているのが驚き。またこちらも1961年のスタジオ盤との比較で5分ほど早くなっている「ドイツ・レクイエム」では、バイエルン国立歌劇場で当時活躍中のバリトン、まだ22歳だったハンス・ヴィルブリンクと、カール・ベームのお気に入りだったことで知られるドイツのリリック・ソプラノ、エルフリーデ・トレッチェルを起用。音質に関しては、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態で残っており、入念なリマスタリングで、70歳を超えてなお元気なクレンペラーの力強いパフォーマンスを堪能することが出来ます。
CD帯紹介文

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました