こんにちは、
ともやんです。
オットー・クレンペラー(1885-1973)は、僕は一番興味をそそられる指揮者の一人です。
そして僕が同じくらい興味を感じるのは、ヴィリヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)です。
年齢は、1歳しか違いませんでしたが、クレンペラーの方が、20年近く長生きしました。
しかし芸風は全く逆で、ドラマティックで刺激的なフルトヴェングラーに演奏に対して、クレンペラーは、素っ気なく淡々として風通しの良い演奏です。
そしてフルトヴェングラーの演奏に華があるのに対して、クレンペラーの演奏には、それが乏しいと感じます。
この二人の違いに関して、このブログで追求していきたいと思います。
クレンペラー クロル歌劇場時代
クレンペラーは、1927年から33年に掛けて彼が音楽監督を務めていたクロル歌劇場が、国立オペラに併合されました。そこで必然的にクレンペラーが、シュターツカペレ・ベルリンを指揮する機会が増え、今日ご案内するベートーヴェン交響曲第8番など録音しています。
日本でも1927年にポリドールの国内盤が発売されることになり、シュターツカペレ・ベルリンは、日本の愛好家にも親しまれるようにあんりました。
当時クレンペラーは、新しい音楽の旗手としてベルリンの前衛と認められていました。1924年頃のアコースティック録音によるベートーヴェン交響曲第1番をはじめSPにかなりの録音を残しました。
その中でもクルト・ヴァイルの『音楽劇「三文オペラ」』組曲が当時のクレンペラーの面影を知るに相応しいものです。
クレンペラーの1927年の動きを見てみます。
1927年1月、2度目のアメリカ・ツアー。
9月、クロル歌劇場での最初のシンフォニー・コンサート。
バッハの管弦楽組曲第3番にモーツァルトのピアノ協奏曲第20番(シュナーベル独奏)、ヤナーチェクのシンフォニエッタというもので、ヤナーチェク本人もリハーサルから臨席。
11月、『フィデリオ』でオペラ上演をスタート。舞台装置と共同演出はデュルベルク。12月、翌月にかけてベルリン国立歌劇場管弦楽団とブラームスの交響曲第1番を録音。
なお、今日ご案内するベートーヴェンの交響曲第8番では、CDでは1927年の録音となています。しかし、『名門オーケストラを聴く!』CDでたどるその栄光の歴史と名盤(音楽之友社)では、24年頃となっています。
どちらが正しいのか、それとも2回録音したのかわかりませんが、どちらにしても90年以上前の録音で、古くて貧弱な録音の向こうから、現代音楽を得意としてクレンペラーのリアリストとしての顔を知ることが出来る貴重な録音です。
クレンペラー ベートーヴェン交響曲第8番他
カール・マリア・フォン・ウェーバー – Carl Maria von Weber (1786-1826)
1.(08:34)歌劇「オイリアンテ」 J. 291 – 序曲1.
Euryanthe, J. 291: Overture
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
2.(07:19) I. Allegro vivace e con brio
3.(03:51) II. Allegretto scherzando
4.(04:55) III. Tempo di menuetto
5.(07:57) IV. Allegro vivace
total(24:02)
ベルリン国立歌劇場管弦楽団 – Berlin State Opera Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 1927
ウェーバー/ベートーヴェン/J.S. バッハ/モーツァルト/ブラームス:管弦楽作品集(クレンペラー)(1927-1946)
最後に
クレンペラーとフルトヴェングラー。
この二人を追いかけていると人生がいくつあっても敵わないかもしれません。
再現芸術の両巨頭のことを少しでも知っていければ素敵です。
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