フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成より

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こんにちは、
ともやんです。

フルトヴェングラー生誕135年記念して、フランス・フルトヴェングラー協会協力のもと、商用リリース用として録音された音源すべてを、2021年新リマスター音源で収録した完全セットが9月24日に発売されます。

現在予約受付で、タワーレコードでは先着特典として、大判ポストカード3枚セットプレゼントなどがあります。

フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成

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宇野功芳 フルトヴェングラー正規レコード用録音集1926-30

名物クラシック音楽評論家として、一世を風靡した感のある宇野功芳さんは、フルトヴェングラーが大好き過ぎて、フルトヴェングラーの全録音を聴いてそれにあーだこーだとコメントするという本を出しています。

タイトルは『フルトヴェングラーの全名演名盤』です。
ここに書かれている批評と僕の聴いた印象を加味して、『フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成』の1枚目と2枚目に収録されている演奏にコメントしていきます。

カール・マリア・フォン・ウェーバー – Carl Maria von Weber (1786-1826)
歌劇「魔弾の射手」 J. 277 – 序曲
1.(09:50) Der Freischutz, J. 277: Overture

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 1926年10月16日 Studio Polydor, Berlin

フルトヴェングラー最初のレコードで、音が古いというか貧弱ですが、彼の表現を知ることは出来ます。この時代の録音は、なんか型ぐるしいイメージを持っていましたが、演奏自体は陰影に富んで緩急自在の演奏で、当時40歳のフルトヴェングラーの演奏を知る貴重な録音だと思います。宇野さんは、弦の甘美なポルタメント奏法がかなり目立つとコメントしています。

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

2.(06:24) I. Allegro con brio
3.(11:03) II. Andante con moto
4.(05:30) III. Allegro –
5.(08:45) IV. Allegro
total(31:42)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 1926年10月16日&20日、27年1月 Studio Polydor, Berlin

フルトヴェングラーは、40歳にして既に後年のフルトヴェングラーだったという演奏です。
それは有名な1947年5月25日の復帰コンサートの時の演出が未完成ながら出来ていると感じたのです。運命動機の提示は遅く物々しいですが、主部は速くなり特にこの26年盤は颯爽として若々しさがあります。

ただやはり、いまから90年以上前の録音ということで、音は貧弱で、宇野さんも書いていますが、ホルンソロなんか吹き出してしまいそうになります。

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フェリックス・メンデルスゾーン – Felix Mendelssohn (1809-1847)
劇付随音楽『夏の夜の夢』序曲Op.21
6.(12:38) A Midsummer Night’s Dream, Op. 21: Overture

これは名演です。冒頭部分から引き込まれてしまいます。
宇野さんも、何というデリケートな寂しさに彩られた演奏であろう、とコメントしています。

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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ – Johann Sebastian Bach (1685-1750)
管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV 1068 – 第2曲 エール 「G線上のアリア」
7.(05:05) Overture (Suite) No. 3 in D Major, BWV 1068: II. Air, “Air on the G String”

20年後の全曲盤よりもさらに遅いテンポで、曲の中にじっくりと沈潜した演奏である、という宇野さん評です。
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フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
劇付随音楽『ロザムンデ』D.797 ~間奏曲第3番、バレエ音楽第2番
作詞 : ヘルミーナ・フォン・シェジー – Helmine von Chezy
8.(05:18) Rosamunde, D. 797: Ballet Music II: Andantino

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 1929年6月13日 Hochschule fur Musik, Berlin

宇野さんは、フルトヴェングラーが指揮すると、華やかなバレエ音楽さえ、繊細さに打ち震える傷つきやすい魂や寂寥感にあふれたものになる、とコメントしています。

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リヒャルト・ワーグナー – Richard Wagner (1813-1883)
歌劇「ローエングリン」 – 第1幕 前奏曲
1.(09:47) Lohengrin, Act I: Prelude

繊細な魂が打ち震えるような演奏。盛り上がりの気迫も素晴らしい。

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楽劇「トリスタンとイゾルデ」
Tristan und Isolde
2.(10:26) Act I: Prelude
3.(06:36) Act III: Isoldes Liebestod
total(17:02)

個人的には、まだ馴染んでいない曲だが、繊細な音と感受性による寂寥感や、艶やかな官能の世界に巻き込んでゆく表現が巣払いしいとコメントしている。

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フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
シューベルト:劇付随音楽『ロザムンデ』D.797 ~序曲
作詞 : ヘルミーナ・フォン・シェジー – Helmine von Chezy
4.(09:53) Rosamunde, D. 797: Overture

全体的に平凡な出来だが、曲頭の和音は、柔らかく、暗く、雰囲気満点とコメントしています。

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リヒャルト・シュトラウス – Richard Strauss (1864-1949)
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op. 28, TrV 171
5.(15:02) Till Eulenspiegels lustige Streiche (Till Eulenspiegel’s Merry Pranks), Op. 28, TrV 171

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 1930, Studio Polydor, Berlin

録音がぼやけ気味だが、繊細に神経を使った演奏。若々しい進行とリズム感に富んだ演奏。なお、リハーサル風景も収録されているが嬉しいです。
僕は未聴ですが、宇野さんはリハーサル風景の音質の素晴らしさに驚愕しています。
そしてなぜ本番とこんなに差があるのか不思議がっています。

フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)は、20世紀で最も偉大な指揮者の1人で、音楽界の巨人ともいわれています。彼は音楽家の中で最も偉大だと言う人もいます。オーストリアとドイツの交響曲のレパートリー、およびワーグナーの音楽に最高のドラマ性を持たせた、比類のない解釈者であり、彼は演奏者と聴衆のための最も高い基点であり続けています。
この55CDボックスの数多くの演奏は、音楽愛好家にとって不可欠なものです。フルトヴェングラーのスタジオ録音の音源すべてを統合した初めてのコレクションであるだけでなく、商用リリースを目的としたライブ録音も含まれています。

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