こんにちは、
ともやんです。
クラシック音楽の楽しみは、同曲異演を楽しむことです。
つまり同じ曲で違う演奏家でその解釈、響き、スタイルを楽しむことです。
同じ曲なのに演奏家によってその感銘の深さや印象はかなり違います。
まるで違い曲を聴いているような錯覚を感じることもあります。
だからその面白さに気付くと、僕のようにベートーヴェンの英雄交響曲だけで何十枚というLP、CDになってしまいます。
そして、クラシック音楽に興味のない人から、理解されない羽目になります。
フルトヴェングラーとブルックナー
フルトヴェングラーのブルックナーは、よくブルックナースタイルとは異質と言われます。
『フルトヴェングラーの全名演名盤』の著者である宇野功芳氏もフルトヴェングラーの自身で感動的な演奏をすればするほどブルックナーの本質から遠ざかるとまで言っています。
でも、だから感動が薄いということはありません。
ブルックナーからは極めて遠いと言われようが、感動的な名演であることは間違いありません。
音楽評論家であり自身も盤鬼と呼ばれるほど復刻盤の制作者でもある平林直哉氏は、ある本のコラムで次のようなエピソードを紹介されています。
1939年に初めてフルトヴェングラーの演奏の録音に携わった録音技師フリードリッヒ・シュナップに関する記事でした。シュナップは、45年までベルリン、ウィーンで行われたフルトヴェングラーの数多くの放送録音に携わり、それは現在貴重な録音遺産となっています。
ところがシュナップは、フルトヴェングラーと密に仕事をしながらも彼の解釈に関しては全て賛同することはなく、バッハやモーツァルトの解釈に関しては異を唱えていたそうです。
ただ、シュナップは、こうも言っていたそうです。
「フルトヴェングラーは自分の耳に聴こえた音楽を、<心から>演奏していた。だから人々に鮮烈で荘厳な印象を与えた」
フルトヴェングラーの発する音は、まさに口先だけの言葉ではなかったのです。
フルトヴェングラー&ベルリンフィル ブルックナー第8番
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (フルトヴェングラー版)
Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (ed. W. Furtwangler)
1.(15:27) I. Allegro moderato
2.(13:38) II. Scherzo: Allegro moderato
3.(24:51) III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend
4.(21:51) IV. Finale: Feierlich, nicht schnell
total(75:47)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 15 March 1949, Titania Palast, Berlin
【CD】 ブルックナー: 交響曲第8番 (ハース版) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フルトヴェングラー/ブルックナー第8(1949)、
白熱のライヴ、原音を忠実に再現!制作者より
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによる1949年3月15日のライヴ、ブルックナーの交響曲第8番は、フルトヴェングラーの数あるライヴの中でも突出して燃え上がった演奏として知られます。最近では演奏中に発生したノイズを除去したり抑えたりするのが流行であり、この傾向は今後も続くと思われます。しかしながら、できる限り手つかずの音を聴きたいというファンも多く、そうした方の期待に応える発売を継続したいと考えています。復刻に使用したのは2トラック、19センチのオープンリール・テープですが、音は十分に生々しく、雰囲気は豊かです。(平林直哉)
キングインターナショナル
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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