フルトヴェングラー ステレオ・トランスクリプション 1947.5.27

[広告] 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

こんにちは、
ともやんです。

僕が影響を受けた音楽評論家、宇野功芳氏の名著に『フルトヴェングラーの全名演名盤』があります。

宇野氏のフルトヴェングラーへの敬愛の情が溢れた本ですが、その中でフルトヴェングラーが、ナチとの関係を審議する裁判で無罪となり、ようやくコンサートが認められた後の復帰コンサートについてコメントには、次のように記されています。

“僕はフルトヴェングラーの数多いCDの中からいちばん好きなものを挙げよ、といわれたら、この「第五」を選ぶ。古いライブ録音の中から、フルトヴェングラーの血を吐くような想いが、芸術の真実として伝わってくるからである。音は悪いなりにスタジオ録音のように美化されず、生々しさが損なわれていないからであろう。”

スポンサーリンク

さて、フルトヴェングラーの戦後の復帰コンサートのCDとしては、2009年に発売された、ドイツのアウディーテから発売された『フルトヴェングラーRIAS放送全集』が出たことで、1947年5月25日の復帰初日の録音が、本当のオリジナル・マスターからの復刻ということで、それまでのオリジナルからのダビングで製作されたLP、CDの価値がほとんどなくなったのです。

この件に関して、音楽評論家であり歴史的な名演の復刻を手掛けて盤鬼とまで呼ばれている平林直哉氏『フルトヴェングラーを追って』という著書の中で指摘しています。

ところがなんと同じ平林氏が、今度は今度は製作者として、復帰3日目の1947年5月27日の録音を“フルトヴェングラー・ステレオ・トランスクリプション”未刊行の幻のテスト・プレスLPより復刻として、世に出すことになったのです。

平林氏は、次のようにコメントされています。

この”幻のテスト・プレス”復刻シリーズの第1弾は、もはや説明不要のベルリン復帰3日めのライヴです。制作者自身も含め、当時この音でフルトヴェングラーを聴いたファンには良き思い出の品となるかもしれません。この疑似ステレオこそが本物のフルトヴェングラーの音に近いなどとは言いませんが、オリジナル・モノラルとは全く異なった趣があることだけは確かです。未体験の人も、案外やみつきになるかもしれません。

どうでしょうか?
聴いてみたくなりますね。

スポンサーリンク

フルトヴェングラー 復帰コンサート 1947.5.27

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

1.(08:05) I. Allegro con brio
2.(11:10) II. Andante con moto
3.(05:51) III. Allegro –
4.(08:04) IV. Allegro
total(33:10)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 27 May 1947, Live recording, Titania-Palast, Berlin, Germany

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」&「エグモント」序曲 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1960年代後半から1970年代前半にかけて、フルトヴェングラーのLPはドイツ・エレクトローラの”ブライトクランク”、そしてドイツ・グラモフォンの”ステレオ・トランスクリプション”と、疑似ステレオ盤がごく普通に売られていました。従って、この頃にフルトヴェングラーに親しんだ人たちは、疑似ステレオ盤をごく当たり前に聴いていたのです。

フルトヴェングラーの”ステレオ・トランスクリプション”は国内では13枚組LPとして発売されましたが(のちに分売もあり)、ドイツ国内ではなぜかこのシリーズは全く発売されませんでした。ところがこのほど、未刊行のテスト・プレスを複数手に入れました。つまり、本国では番号を決め、テスト・プレスまで行われたのにもかかわらず、製品化はされなかったのです。
平林氏のコメントより

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました