こんにちは、
ともやんです。
ベートーヴェンの交響曲の中で、演奏回数の少ないのが、少ない方から第1番、第8番、第2番そして第4番と続きます。これは2018年の記録ですが、もっとも多かったのが、第9番の135回でもっとも少ない第1番15回の9倍も演奏されました。
第8番は、第2番と共に16回で、そんなに人気がないのか?と思ってしまいます。
兄弟曲のような第7番が、78回も演奏され、第9に次いで多い事実を見ると意外なような気がします。
フルトヴェングラーもこの曲の録音が少なく、第2番に次いで少なく3種類しか残されていません。
残されている3種類は以下の通りです。
1948年11月13日ライブ ストックホルムフィル
1953年 4月14日ライブ ベルリンフィル
1954年 8月30日ライブ ウィーンフィル
フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第8番
実はなぜフルトヴェングラーの第8番を聴き比べてみようと思ったかというと、マリア・カラスが、ある日、車での送迎時にたまたまラジオから流れてきたベートーヴェンの交響曲第8番の演奏を聴いて、この曲が好きだといい、ただ演奏がいまひとつだ、誰の演奏?と指揮者を確かめるまで目的地ついても降りずに最後まで聴いたそうです。
そして最後に演奏者を告げられるとため息混じりに「フルトヴェングラーに比べれは小物ね。」と言った逸話が残されています。
その時の演奏が、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団でした。
セルの演奏でさえ、「小物」と言わせてしまう、フルトヴェングラーの演奏とはどんなものか、確認のため聴いてみることにしたのです。
3つの内、録音も良く演奏もドラマティックなのは、53年ベルリンフィル盤です。
特に第1楽章の展開部は、白熱した演奏で手に汗握るという感じです。
また響きに深みがあります。伴奏部分も意味がある響きを感じます。
演奏の深みから行くと54年ウィーンフィル盤の方が上かもしれません。終楽章の充実度はこちらが上だと思います。
フルトヴェングラー指揮ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
1948年11月13日 ストックホルムコンサートホールでのライブ録音
フルトヴェングラー&ストックホルム・フィル、スウェーデン放送全録音集
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フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
1953年4月 ベルリンでのライブ録音
ベートーヴェン:交響曲第7番・第8番 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1953年録音
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フルトヴェングラー指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
録音:1954年8月30日
ザルツブルク音楽祭でのライブ録音
48年ストックホルムフィル盤は、一番若々しい印象を受けます。
ただ録音の音質は、後年の2種類に比べかなり落ちます。
ベートーヴェン交響曲第8番 フルトヴェングラーvsセル
ところでフルトヴェングラーの3種類を聴いてからセル&クリーヴランド管の録音も聴きました。
セルの演奏は、ずっと軽快ですっきりした演奏で、随所にアンサンブルの微妙なバランスを考えた演奏です。旋律部分を抑えて内声部を目立たせたり、見事なアンサンブルが聴きものです。
この演奏は十分見事なものですが、では感動的かというと首を傾げます。音のひとつひとつの深さにおいてフルトヴェングラーにはやはり敵いません。
フルトヴェングラーは、ベートーヴェンの第8交響曲をあまり得意としていなかったようですが、随所にフルトヴェングラー節が聴かれるものでした。
フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編
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