フルトヴェングラー 名盤 ストックホルムの第九

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こんにちは、
ともやんです

戦時中のフルトヴェングラーは、周りからどう見られていようとナチス政権と闘っていたつもりであった。

前の記事でも書いたけど、フルトヴェングラーは鈍感なのか繊細なのかわからない。
多分友人として付き合うと面倒な面とその繊細な心使いに感動するかもしれない。

また一人よがりの強い性格でもあったかもしれない。

ストックホルムの客演に関してもフルトヴェングラーのそんな性格を感じさせる。

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フルトヴェングラー ストックホルム 客演

フルトヴェングラーは、1943年11月にスウェーデンの演奏協会からの依頼で、ストックホルムでベートーヴェンの第九を指揮することになった。

しかし、ストックホルムの学生団体は、著名文化人の著名を集めたりしてフルトヴェングラーの来訪に対して抗議文を作成し、集会も開いた。

これは、隣国ノルウェーのオスロで、抵抗した学生や教授たちをドイツ軍が逮捕してという事件があり、それへの抗議でもあった。

抗議文の内容は、『カラヤンとフルトヴェングラー』中川右介著によると次のように内容だった。

『我々は貴殿をドイツ音楽界の著名な代表者の一人として考えている。しかし、貴殿は北欧文化にとって致命的危険をもたらす政治を推し進めている国家の代表者でもある』

フルトヴェングラーは、当初から政治と芸術は別という認識だが、ナチスに迫害されている人たちや国から見れば、ドイツからやってくる人間は例え音楽家と言えども受け入れられわけではないのだ。

そしてそんな人間にいくら、ベートーヴェンの第九は、人類に善良、信頼、平等を伝えるメッセージだと正論を言ったとしても、お前にだけは言われたくないということなのだ。

そのようなフルトヴェングラーのストックホルムへの客演はボイコット運動が行われたが、結果としては行われた。

その時の録音が、12月8日にストックホルム・フィルを振って録音された当録音なのだ。

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フルトヴェングラー ストックホルムの第九 印象

僕の聴いた録音の音質では、前年の42年3月に比べやや落ちる印象だが、鑑賞には耐えられるものだった。

どうしても前年のベルリン・フィルとの定期演奏会の録音と比べてしまうが、手兵のベルリン・フィルではない、コンサート前のボイコット運動もあり、オーケストラメンバーは仕事と言えどももしかして影響があったかもしれない。

だからか、ベルリン盤に比べ、全体的に生々しさや迫力に欠ける。
しかし、むしろストックホルム・フィルの特性なのか弦の響きは明るめで流麗な印象だし、迫力よりも美しさを感じさせる演奏だと思う。

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フルトヴェングラー 名盤 ストックホルムの第九

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller

1.(17:22) I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(11:39) II. Molto vivace
3.(19:22) III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato – Adagio
4.(24:48) IV. Finale: Presto – Allegro assai
total(73:11)

ヒョルディス・シンベリ – Hjordis Schymberg (ソプラノ)
リサ・テュネル – Lisa Tunell (アルト)
ヨースタ・ベケリン – Gosta Backelin (テノール)
シーグルド・ビョルリンク – Sigurd Bjorling (バス)
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団・合唱団 – Stockholm Philharmonic Orchestra & Chorus
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1943年12月8日 ストックホルム・コンサートホール(ライヴ)

フルトヴェングラー、4種の「第九」(ターラ編)

フルトヴェングラーが指揮したベートーヴェンの第9交響曲は、1937年から亡くなる1954年までの17年間に演奏された全曲演奏で13種類の録音がCD化されています。

その中でも特筆すべき演奏はつぎの4種。

「ベルリンの第九」として知られる1942年3月のベルリン・フィルとの公演、これは大戦中の緊迫感に満ちた劇的な爆演として有名です。

「ストックホルムの第九」は同じく大戦中にストックホルム・フィルに客演、巨匠の手腕を証明する凄演です。

「1952年ウィーンの第九」はムジークフェラインでのウィーン・フィルとの公演、これは宇野功芳氏が『部分的には「バイロイトの第九」よりも上、彼のベストではないか』と評したように、第3楽章など至高絶美の演奏といっても過言ではありません。ターラが夫人所蔵のオリジナルテープから正規盤を発売して有名になりました。2012年には新マスタリングして、開始前の拍手から終演後の拍手まで臨場感たっぷりとCDに収録しています。

そして1954年のルツェルン音楽祭公演、これはフルトヴェングラー最晩年の深い思索と境地を感じさせる感動的名演。夫人所蔵のテープから正規盤を発売、1995年英グラモフォン賞を受賞したターラ栄光の名盤です。

これら4つの演奏が、音質面の評判が高いターラの原盤からCD4枚組のセットになって発売されます。しかもキング関口台スタジオで、全点新たなリマスターが行われており音質にいっそう磨きをかけています。巨匠が生涯で格別に愛好し、1913年4月26日リューベックでの最初の演奏会から、1954年8月22日のルツェルンで最後に振った演奏会まで、96回もの公演回数となったベートーヴェンの「第九」(ターラの社主・故トレミヌ氏調査による)、その崇高な芸術をご堪能ください。

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