クレンペラー 名盤 モーツァルト セレナード

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こんにちは、
ともやんです。

オットー・クレンペラー(1885-1973)は、2mを越す長身の巨体の指揮者でした。1929年にベルリンのイタリア大使館で撮影された有名な写真があります。

ベルリンに客演したトスカニーニを囲んで当時ベルリンで活躍していた指揮者4人が一緒に写っているのです。

トスカニーニは62歳。そしてベルリンの4人というのが、年齢順にブルーノ・ワルター53歳、オットー・クレンペラー44歳、ヴィリヘルム・フルトヴェングラー43歳、エーリヒ・クライバー39歳でした。

初めてその写真を見たときある違和感を憶えたのです。
クレンペラーとフルトヴェングラーが後ろに立っているのでが、何か台の上に立っているかように頭一つ以上飛び抜けているのです。
その時は、後ろだから撮影のため台に乗っていると思ったのですが、実が違っていました。フルトヴェングラーもクレンペラーも長身なのです。フルトヴェングラーが190センチ、クレンペラーはそれ以上だったのです。逆にクライバーが小柄だったようです。

そんな長躯で生きたクレンペラーは難儀な性格と相まって88年の生涯は苦難の連続でした。

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クレンペラー 苦難の歴史

クレンペラーの苦難、災難の闘いの歴史をざっと見てみます。

1933年(49歳)ライプツィヒ・ゲヴァントハウスでのリハーサル中に指揮台から転落し頭部を強打。強い脳震盪と左半身打撲。

1941年
2月、サナトリウムで医師と衝突、怒った医師が危険な精神病患者脱走などと8つの州の警察に虚偽通報し、捕えられたクレンペラーは、ニュージャージー州の警察に26時間に渡って収監され、そのことが、鉄格子の中の写真付きで新聞にも書きたてられるなど、狂騒の時期を過ごします。

1949年(54歳)夏、ハリウッドボウルで指揮した後、メキシコに演奏旅行、ベートーヴェン、シェーンベルク、ブラームスを指揮。現地で体調に異変。平衡障害に陥り歩行困難、重度の頭痛を発症。帰国後に診察を受けると脳腫瘍の診断。9月、ボストンで専門医による4時間半の手術を受け、小さなオレンジほどの腫瘍を摘出。クレンペラー本人は6年前にライプツィヒでおこした脳震盪が原因と推測。

1951年
10月、クレンペラーはモントリオール交響楽団を指揮するためにカナダに到着しますが、その際、モントリオール空港でタラップから転落して左大腿骨頸部ほか数か所を複雑骨折。回復には時間がかかるため入院。

1952年
当時のアメリカではケネディも支持した「赤狩り」旋風が吹き荒れており、クレンペラーの職場がハンガリーだったことから共産主義活動の嫌疑をかけられ、また、なぜかナチ疑惑までかけられて、パスポートの更新拒否という処分となり、出国できなくなってしまったのです。12月、クレンペラー家はニューヨークに転居。翌年、弁護士の尽力により6ヵ月間だけ出国可能になった。

1958年
5年ほど絶好調だったクレンペラーですが、10月にチューリヒの自宅で、寝タバコが原因でシーツが燃え、全身の15パーセントに及ぶ大やけどを負って重体に陥ってしまいます。その後、皮膚移植手術を何度か繰り返して 1959年
7月にはなんとか回復。

60年以降は、座って指揮するようになった。

これらの災難に見舞われながら88歳の人生を全うし、亡くなる直前まで指揮活動をしたその強靭な生命力と精神力にはただただ敬服するしかありません。
しかし、クレンペラーのその生涯をみて行くと不思議にそんな運命に向かうというよりもあるがままに受け入れて、ただただ音楽に誠実に向き合い、音楽家としての使命を全うしたように感じます。

そんなことを感じさせるのが、晩年に録音されたモーツァルトのセレナードです。

若い頃は煩悩の塊のようでとっても人格者とは言えない人でしたが、特に60年代以降70代も後半になってからは、まるで解脱の境地に達しような音楽を感じるのです。

ぜひ、聴いてみてください。

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クレンペラー モーツァルト セレナード第10番&第11番

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
セレナード第10番 変ロ長調 「グラン・パルティータ」 K. 361
Serenade No. 10 in B-Flat Major, K. 361, “Gran Partita”

1.(09:25) I. Largo – Allegro molto
2.(06:59) II. Menuetto
3.(06:46) III. Adagio
4.(03:47) IV. Menuetto: Allegretto
5.(06:39) V. Romance: Adagio – Allegretto – Adagio
6.(11:01) VI. Theme with Variations
7.(03:19) VII. Finale: Molto Allegro
total(47:56)

ロンドン・ウィンズ – London Winds
ロンドン木管五重奏団 – London Wind Quintet
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)

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セレナード第11番 変ホ長調 K. 375
Serenade No. 11 in E-Flat Major, K. 375

8.(08:03) I. Allegro maestoso
9.(04:40) II. Minuet
10.(07:26) III. Adagio
11.(02:46) IV. Minuet
12.(04:08) V. Finale: Allegro
total(27:03)

フィルハーモニア・ウィンド・アンサンブル – Philharmonia Wind Ensemble
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)

モーツァルト: 交響曲、前奏曲&セレナード オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

巨匠オットー・クレンペラーが、EMIに残したモーツァルトの交響曲とセレナード選集です。
どの演奏もクレンペラーが、到達した境地を表現しています。

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