クナッパーツブッシュ&スイス・ロマンド管 ブラームス 交響曲第2番

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こんにちは、
ともやんです。

ハンス・クナッパーツブッシュは、あまりドイツ国外というかドイツ語圏から出なかったようで、残されている録音はウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ミュンヘン・フィルが多いです。

その他の客演での録音でも、ケルン放送響、北ドイツ放送響、バイエルン放送響というようにドイツのオケがほとんどです。

そんな中、今年リリースされたボックスセットには、スイス・ロマンド管との録音があり、興味深く聴きました。

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クナッパーツブッシュ スイス・ロマンド管を指揮した経緯

クナッパーツブッシュは、戦前・戦中にはバイエルン国立歌劇場の音楽監督の職にありましたが、ナチス政権により解任させられ、しかも監視をされて強いストレス下にありました。

敗戦によってようやくバイエルン国立歌劇場の職に復帰できると考えたいたようですが、今度は、アメリカ占領軍政府が圧力をかけてきて、新人ショルティをバイエルン国立歌劇場音楽総監督に据えるためにクナッパーツブッシュは解任させられてしまいました。
さらに指揮活動も禁じるなど、彼はまたしてもストレス状態に置かれることになったのです。

1946年末にようやく不当な禁止処置は解かれ、活動が出来るようになりましたが、クナッパーツブッシュの自宅のあるミュンヘンはまだ瓦礫だらけの状態でした。
さて、どうしたものかと考えたいた頃、レコーディング契約の申し出があったのです。

それは、デッカ・レコードのスイスでの販売元「ムジークフェアトリープ」をチューリヒで経営する一方、デッカの大株主でもあった正統派ユダヤ教徒のモーリス・ローゼンガルテンでした。

ローゼンガルテンは、その目利きぶりからデッカ社長エドワード・ルイスの信頼も厚く、アーティスト契約を任されることも多かった人物でした。

そのローゼンガルテンは、禁止処置の明けたクナッパーツブッシュに目を付け契約を申し込んできたのです。

そこで最初は、被害の少なかったスイスでの録音ということになり、クナッパーツブッシュは、チューリヒの歌劇場に客演して「トリスタンとイゾルデ」公演を指揮したことから、チューリヒの放送スタジオでワーグナーの「ローエングリン」第1幕前奏曲などを録音しました。
その時のオーケストラは歌劇場で指揮したチューリヒ・トーンハレ管弦楽団。

約2週間後には、ジュネーヴの放送スタジオで、スイス・ロマンド管弦楽団を指揮してブラームス第2番と、「マイスタージンガー」前奏曲を録音したのです。

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クナッパーツブッシュ&スイス・ロマンド管 ブラームス 交響曲第2番

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 73
Symphony No. 2 in D Major, Op. 73

1.(15:24) I. Allegro non troppo
2.(10:08) II. Adagio non troppo
3.(04:15) III. Allegretto grazioso (quasi andantino)
4.(08:00) IV. Allegro con spirito
total(37:47)

スイス・ロマンド管弦楽団 – Swiss Romande Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: July 1947

オーケストラ・エディション<限定盤> ハンス・クナッパーツブッシュ

慣れないオーケストラだからでしょうか、最初の2楽章は遅めのテンポで慎重な演奏ですが、第3楽章と終楽章は一転して早めのテンポで活気あふれるスタイルになります。

前半と後半を別々に聴くととても同じ時の録音とは思えない感じですが、そのアンバランスさがクナッパーツブッシュぽくていいですね。

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