こんにちは、
ともやんです。
クナッパーツブッシュ ウィーンフィル・コレクションから、disc2には、モーツァルトの交響曲第40番と第41番”ジュピター”が収録されています。
クナッパーツブッシュというとワーグナーやブルックナーという重量級という指揮者のイメージですが、ウィンナー・ワルツやシューベルトの軍隊行進曲のような小曲においても個性を発揮しています。
またウィーンフィルを始めて指揮した1929年のザルツブルク音楽祭のプログラムには、ベートーヴェン「英雄」、ファリャ「スペインの庭の夜」、フランケンシュタイン「舞踏組曲」と共にモーツァルトの「アイネ・クライネ」が入っています。
クナッパーツブッシュとウィーンフィルのモーツァルト
クナッパーツブッシュのコンサートの記録を見ていると、モーツァルトの曲を取り上げることは少ないし、しかもかなり偏りがあって、まず「アイネ・クライネ」次に「ジュピター」で、その他、交響曲29番、39番、40番などがみられます。特に「アイネ・クライネ」は、かなりお気に入りのようでよく取り上げています。
前回の記事でそのユニークな演奏と記しましたが、やはりクナッパーツブッシュの重要なレパートリーとしてあるので、それだけに遊び心も発揮できたのかもしれません。
交響曲では、「ジュピター」をよく取り上げていています。
さて、早速演奏を聴いてみます。
※モーツァルトのぬいぐるみ
第40番は、ウィーンフィル訛りと言うか、第一楽章のポルタメントが、ワルター&ウィーンフィルの演奏を彷彿させます。
ワルター&ウィーンフィル盤では、有名な主題にポルタメントで奏されていて、ワルターの指示かと思っていましたが、クナッパーツブッシュとの演奏でもワルターほど濃厚ではありませんが、ポルタメントがみられることからこれはもしかして当時のウィーン流またはウィーンフィル流なのかもしれません。
なおこの傾向はジュピターにも見られます。
さて、この2曲を聴いて、「アイネ・クライネ」ほどの個性は感じられませんでした。共に真っ当な演奏で、むしろ淡々と音を構築していく感じですが、40番の終楽章では、内声部の抑揚などにクナッパーツブッシュの個性を感じます。
また緩徐楽章では、ゆったりしたテンポでよく歌い、特にジュピターの終楽章では、白熱した演奏になっています。ただ、終楽章の一部に編集ミス?それとも演出?と思われる、この曲では聴かない部分が僅かに出ます。これはなんだろうと思っています。
そんなところを探すのも面白いところです。
クナッパーツブッシュ モーツァルト 交響曲第40番&ジュピター
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第40番 ト短調 K. 550
Symphony No. 40 in G Minor, K. 550
1.(08:23) I. Molto allegro
2.(08:23) II. Andante
3.(03:52) III. Menuetto: Allegretto
4.(05:11) IV. Allegro assai
total(25:49)
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交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K. 551
Symphony No. 41 in C Major, K. 551, “Jupiter”
5.(07:19) I. Allegro vivace
6.(09:20) II. Andante cantabile
7.(05:05) III. Menuetto: Allegretto
8.(06:27) IV. Molto allegro
total(28:11)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
録音: 9 November 1941, Vienna, Austria
ハンス・クナッパーツブッシュの芸術 with ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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