ヘルマン・シェルヘン ヴィヴァルディ “四季”

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こんにちは、
ともやんです。

3月4日は、アントニオ・ヴィヴァルディの誕生だそうです。
1678年3月4日、ヴェネツィアの生まれ。350年以上前でのちゃんと記録が残っているのは洗礼の記録があるからだと思います。

バッハやヘンデル、スカルラッティの7歳年上。
同じイタリアだったらヴィヴァルディとスカルラッティは会ったことが合ったんだろうか?

さて、ヴィヴァルディと言えば、誰でもすぐ出てくるのが”四季”ですね。
今日は四季の歴史的な録音を聴いたのでレビューしたいと思います。

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ヴィヴァルディ 四季 イ・ムジチでバズる

アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)のヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」という12曲からなる作品を残しています。

その中の第1番から第4番を四季と言う標題音楽的に書いたものは、特別に取り上げられてヴァイオリン協奏曲集”四季”として有名になりました。

その立役者が、1951年に創設されたイ・ムジチ合奏団です。
彼らが1959年に録音した”四季”が、バロックブームを引き起こしたのです。
今風に言うとバズったということです。

59年と言えば僕はまだ2才で、そんな記憶もありませんが、小学生頃にTVの皇室アルバムから流れてくる音楽が、いいなあと感じていたのですが、それがヴィヴァルディの”四季”だったようです。

イ・ムジチ合奏団は、その後メンバーの入れ換えをしながら活動を続けています。ヴィヴァルディの四季も新リーダーの就任の度に録音していて、6回以上録音しているようです。

僕はその全てを聴いていないのでなんとも言えませんが、59年の録音を聴くと、まだ古楽器演奏が台頭する前で、ロマンティックな四季で、変な言い方ですか、バロック演奏の古典という感じです。

ヴィヴァルディ: 協奏曲集「四季」<タワーレコード限定> イ・ムジチ合奏団 フェリックス・アーヨ

良かったら聴いてみてください。これはこれでひとつの世界を極めた演奏だと思います。

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ヘルマン・シェルヘン 狂気を秘めた迷演

ヘルマン・シェルヘン(1891-1966)に関して評論家、宇野功芳氏は面白いコメントを書かれていた。

“もしルガーノ放送管弦楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲全集が世に出なかったら、シェルヘンは二流か三流の評価を受けて、すっかり忘れ去られていただろう。それほどルガーノ・ライブは衝撃的だった。”

二流か三流の評価ということは別として、シェルヘンは、カール・ベームと同世代の人でありながら、僕はルガーノ放送響のベートーヴェンの録音を知るまで、ほぼ知らない人だった。

しかし、宇野氏と同様ルガーノ・ライブで衝撃を受けた僕は、シェルヘンの録音を少しずつ聴くようになりました。またCDも人気の上昇で少しずつ市場に出るようにもなったのです。

そして最近ヴィヴァルディの四季で面白そうな演奏ないかな、と探していたら、”おおっ!”という感じで見つけたのでした。

1958年の録音と言いますから、火付け役なったイ・ムジチよりも1年早い録音。
片やバズって一大ブームを巻き起こしたのに、わずか1年早い録音だったせいかどうかわかりませんが、一応リリースされたようですが、すぐ廃盤となり忘れられた存在になってしまいました。

もちろん演奏の内容のせいだけではなく、レコード会社の売り出し方もあったと思います。

そして今から10年ほど前に復刻され、時代を先取りした名盤ということで現在も現役盤として頑張っています。

まさに特異な演奏です。春の第一楽章を聴くと、ああ、まともの演奏だな思うのですが、その後どんどん狂気を孕んだというか秘めた妖しい音楽になって行くのです。

特に緩徐楽章のあまりのテンポの遅さに何を聴いているのはわからなくなります。
その極めつけが”冬”です。まさに現代音楽の世界観です。

これはぜひ聴いて欲しい迷演、いや名演です。

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ヘルマン・シェルヘン ヴィヴァルディ “四季”

アントニオ・ヴィヴァルディ – Antonio Vivaldi (1678-1741)
四季 – ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 「春」 Op. 8, No. 1, RV 269
The Four Seasons: Violin Concerto in E Major, Op. 8, No. 1, RV 269, “La primavera” (Spring)

1.(03:13) I. Allegro
2.(04:40) II. Largo
3.(02:50) III. Allegro
total(10:43)

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四季 – ヴァイオリン協奏曲 ト短調 「夏」 Op. 8, No. 2, RV 315
The Four Seasons: Violin Concerto in G Minor, Op. 8, No. 2, RV 315, “L’estate” (Summer)

4.(05:45) I. Allegro non moto
5.(02:58) II. Adagio
6.(02:50) III. Presto
total(11:33)

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四季 – ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 「秋」 Op. 8, No. 3, RV 293
The Four Seasons: Violin Concerto in F Major, Op. 8, No. 3, RV 293, “L’autunno” (Autumn)

7.(05:07) I. Allegro
8.(02:12) II. Adagio molto
9.(03:10) III. Allegro
total(10:29)

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四季 – ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 「冬」 Op. 8, No. 4, RV 297
The Four Seasons: Violin Concerto in F Minor, Op. 8, No. 4, RV 297, “L’inverno” (Winter)

10.(05:21) I. Allegro non molto
11.(02:40) II. Largo
12.(03:22) III. Allegro
total(11:23)

ジュリアン・オレフスキー – Julian Olevsky (ヴァイオリン)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団 – Vienna State Opera Orchestra
ヘルマン・シェルヘン – Hermann Scherchen (指揮)
録音: 1958

ヴィヴァルディ: グローリア RV.589、四季 ヘルマン・シェルヘン ウィーン国立歌劇場管弦楽団

シェルヘンがこれほど時代に先んじた「四季」を振っていたとは!
ウェストミンスター原盤。「グローリア」は今回が正式な初CD化。

「四季」は以前ビクターからリリースされていましたが今日入手困難となっていました。ヴィヴァルディの「四季」は今でこそ人気曲ながら、最初に録音されたのは1940年で、以前は学者のみ知る作品だったそう。それから10数年後にシェルヘンは「四季」を含む「和声と創意の試み」全曲を録音しており、その見識には恐れ入ります。

シェルヘンは「四季」の各曲を彼ならではの速いテンポと強烈なボルテージの高さで推し進めます。鬼気迫る「冬」はまるで現代音楽ばりで、ヴィヴァルディの描写を一段推し進めているかのようです。

異常でありながら恰幅の良い堂々とした演奏で、これがヴィヴァルディ再発見初期に行われた録音とは驚異的と申せましょう。
キングインターナショナル

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