ワルター&ウィーン・フィル モーツァルト「ジュピター」戦前の名演

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こんにちは、
ともやんです。

村上春樹の本を初めて購入しました。タイトルは『古くて素敵なクラシック・レコードたち』。先月の6月25日に出たばかりの新刊本です。

前書きのよると、村上氏は、物書きながら、本にはあまり執着しないのにレコードにはかなり執着心があり、かれころ60年蒐集を続けているそうです。
中古レコード店があれば、つい入ってしまうとか。

まず、ジャズのコーナーを見てから、目ぼしいものがないとクラシックのコーナーに移るそうです。

村上氏の選び方は、レコードのジャケットで選ぶ。概してジャケットが気に入ったものあは中味も気にるそうです。

別に名盤にこだわるわけではなく、バーゲンセールでは箱買いもするとか。
気に入らなければ手放したりしながら、現在のコレクションは1万5千枚ほどだとか。

その村上氏の自宅の棚から、好きなレコード、面白いレコードを486枚選んでそれにコメントしたという本です。

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村上春樹と古くて素敵なクラシック・レコードたち

村上氏の前書きを読んでいて、分かるなぁーと思いました。
特にふと1時間ほどジャケットを何枚もながめていることもあるそうです。そして匂いも嗅いでみたりして。僕もこんな時間を楽しんでいたことがあります。

住宅事情により、昨年200枚ほどのLPレコードを手版してしまいましたが、それでもまだ数十枚手元に残していて、たまにふと取り出してジャケットだけをながめていることがあります。

そして、レコードのジャケットから漂ってくる独特な匂い。その匂いを嗅いだ瞬間、タイムスリップして中学生から高校生の自分に戻ってしまいます。

約50年前当時、LPレコードは、物価に比べかなり高価でした。しかも僕の住んでいた地方都市には中古店というものがなく(もしかしてあって、知らなかっただけかも)時間がると街のレコード店に行って、ジャケットを繰っていたものです。
でも小遣いで買えるのは数ヵ月に1枚から2枚。選ぶのも真剣でした。

そんな思い入れは、CDにはあまりありません。大体匂いもないし。ましてや近年利用するようになったサブスクに至っては、ドライな関係でしかありません。

便利さと反対に大切なものを手放した感じです。

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モーツァルトのジュピターと村上春樹とワルターと

村上春樹の著書『古くて素敵なクラシック・レコードたち』では、約100曲の作品を取り上げ、それに数名のお気に入りのレコードを紹介しています。

その選曲も個性的で、俗にいう通俗的な名曲は好きないです。
それでも、モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」は取り上げています。

ただ取り上げたレコードがユニーク。そういうと村上氏は?と感じるかもしもしれませんが、戦前のワルター&ウィーンフィルとベーム&ウィーンフィルの来日公演ライブは、ある程度納得しますが、ビーチャム&ロイヤルフィルと来ると、へえーって感じます。
もうひとつマーク指揮の日本フィルとのライブは、掘り出し物かなと感じるので、村上氏の視点、いや聴点の鋭さに感嘆させられます。

さて、手元にあるワルター&ウィーンフィル盤とビーチャム&ロイヤルフィル盤を聴きました。

ワルター盤は、村上氏の定点観測的な録音で、ワルターに比べればという基準に鳴っている演奏だそうです。

とりあえず、ワルターを聴きました。ビーチャム盤に関しては改めてコメント致します。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
セレナード第13番 ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K. 525
Serenade No. 13 in G Major, K. 525, “Eine kleine Nachtmusik”

ブリティッシュ交響楽団 – British Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 1931

1.(03:56) I. Allegro
2.(04:55) II. Romance
3.(02:26) III. Menuetto
4.(03:48) IV. Rondo
total(15:05)

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交響曲第38番 ニ長調 「プラハ」 K. 504
Symphony No. 38 in D Major, K. 504, “Prague”

5.(09:28) I. Adagio – Allegro
6.(08:53) II. Andante
7.(04:02) III. Presto
total(22:23)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 18 December 1936, Vienna

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交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K. 551
Symphony No. 41 in C Major, K. 551, “Jupiter”

8.(08:11) I. Allegro vivace
9.(08:15) II. Andante cantabile
10.(04:31) III. Menuetto: Allegretto
11.(06:31) IV. Molto Allegro
total(27:28)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 11 January 1938, Vienna

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04:19歌劇「皇帝ティートの慈悲」 K. 621 – 序曲
12.(04:19) La clemenza di Tito, K. 621: Ouverture

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 15 January, 1938, Vienna

Mozart: Symphonies "Prague" & "Jupiter", Piano Concerto No.20, etc ブルーノ・ワルター ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

宇野功芳氏の演奏解説からの抜粋
<アイネ・クライネ・ナハトムジーク>
「アイネ・クライネ」は1936年12月の録音だが、同時期の「田園」や「プラハ」に比べると音質が実に潤沢、透明である。弦楽だけ、しかも編成もいくぶん小さめなのであろう、当時のマイクロフォンにも無理なく収まっている。オーパス蔵のCD化は絶美。こういう音で聴くと、最新のデジタル録音も含め、ワルターの「アイネ・クライネ」は他を大きく引き離して断然トップだ。もう涙が出るほど美しい。

<交響曲第41番「ジュピター」>
完成度の高い、壮麗、立派なニューヨーク盤に対し、ウィーンの「ジュピター」はまるでぶっつけ本番のように即興的だ。意志の力が感じられず、どことなく、なりゆき任せのところがある。テンポは絶えずゆれ動いており、当然、雑なところ、リズムの崩れるところ、腰の軽すぎるところが頻出する。第1楽章も第2楽章も充実感に乏しいが、それを救っているのがウィーン・フィルのエレガントな音色であり、ヴァイオリンのポルタメントであり、フレーズの最後の音の切り方である。
キングインターナショナル

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