こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラーのベートーヴェンの第九の音源が、全てライブですが、全部の13種類あるそうです。
あれ?そんなあったっけ?というのが僕の正直な感想。
ちなみに僕が所有している2冊の本には、それぞれ8種類と9種類になっています。
ということで、今月はフルトヴェングラーの第九を聴きながら各演奏の録音を調べていきたいと思います。
フルトヴェングラー 第九 8種類 9種類
フルトヴェングラーは、1954年11月30日に死去しているので、もう再来年で没後70年です。しかし、個人的な実感としてはその人気は全く衰える気配はありません。
多くの指揮者をはじめとする著名な音楽家の人気は、時の流れに伴い下降線を描いていくと思います。時々生誕100年とか没後何十年と言うようにレコード会社が企画盤等を出して、一時的に盛り上げたりしますが、一般的には緩やかに下降線を辿って行くように思います。
さて、フルトヴェングラーの残されている録音の中でもベートーヴェンの交響曲は特別で特に数も多いですが、その中でも特に第九は特別なもののように思います。
1998年、いまから24年前に出版された『フルトヴェングラーの全名演名盤』宇野功芳著では、第九は以下の8種類記されています。
①1937年5月1日 ベルリン・フィル (ロンドン)
②1942年3月22日-24日 ベルリン・フィル(ベルリン)
③1943年12月8日 ストックホルム・フィル(ストックホルム)
④1951年1月7日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑤1951年7月29日 バイロイト祝祭管(バイロイト)
⑥1952年2月3日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑦1953年5月31日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑧1954年8月22日 フィルハーモニア管(ルツェルン)
宇野氏の本は、1977年に刊行された『フルトヴェングラーの名盤』に加筆されたもので1998年時点では、この8種類の録音が確認されていたと思われる。
その2年後の2000年に出た『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』ジョン・アードイン著 藤井留美訳では、宇野版より1つ増えて9種類となっている。
増えたのは、1954年8月9日のバイロイト祝祭管(バイロイト)との録音です。
フルトヴェングラー 第九 13種類説
さて、僕は上記の資料から、フルトヴェングラーの第九の録音は9種類残されていたと信じていました。
ところが先日、タワーレコード・オンラインショップを見ているとなんとフルトヴェングラーの第九は13種類あるとしているのだ。
宇野版よりなんと5種類、アードイン版より4種類も増えたことになる。
では、タワーレコード版では何が増えたのだろうか?
以下の4種類。
①1942年4月19日 ベルリン・フィル(ベルリン)
②1951年7月29日 バイロイト祝祭管 スウェーデン放送所蔵音源盤
③1951年8月31日 ウィーン・フィル(ザルツブルク)
④1953年5月30日 ウィーン・フィル(ウィーン)
①は、アドルフ・ヒトラー総統誕生記念日前夜祭コンサートで旧フィルハーモニーで行われたもの
②は、有名なバイロイト祝祭管との旧EMI盤と同じ演奏の録音です。
③ザルツブルク音楽祭での録音
④従来の5月31日の前日の録音。
ということで3つの資料をまとめたものが以下になります。
①1937年5月1日 ベルリン・フィル (ロンドン)
②1942年3月22日-24日 ベルリン・フィル(ベルリン)
③1942年4月19日 ベルリン・フィル(ベルリン)
④1943年12月8日 ストックホルム・フィル(ストックホルム)
⑤1951年1月7日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑥1951年7月29日 バイロイト祝祭管(バイロイト)
⑦1951年7月29日 バイロイト祝祭管 スウェーデン放送所蔵音源盤
⑧1951年8月31日 ウィーン・フィル(ザルツブルク
⑨1952年2月3日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑩1953年5月30日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑪1953年5月31日 ウィーン・フィル(ウィーン)
⑫1954年8月9日 バイロイト祝祭管(バイロイト)
⑬1954年8月22日 フィルハーモニア管(ルツェルン)
さあ、全部聴いていくぞ!
フルトヴェングラー 第九 1937
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
1.(17:43) I. Allegro ma non troppo e un poco maestoso
2.(11:29) II. Molto vivace
3.(20:15) III. Adagio molto e cantabile
4.(24:53) IV. Finale: Presto – Allegro assai
total(74:20)
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
エルナ・ベルガー – Erna Berger (ソプラノ)
ゲルトルーデ・ピッツィンガー – Gertrude Pitzinger (アルト)
ヴァルター・ルートヴィヒ – Walther Ludwig (テノール)
ルドルフ・ヴァツケ – Rudolf Watzke (バス)
フィルハーモニー合唱団 – Philharmonic Choir
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 1 May 1937, Queens Hall, London, UK
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(ベルガー/ピッツィンガー/ルートヴィヒ/ヴァツケ/ベルリン・フィル/フルトヴェングラー)(1937)
ジョージ六世の戴冠式祝典コンサートとして、ロンドンのクィーンズ・ホールで行われたライブ録音。
基本的な解釈は次の1942年盤と大差ないが、やはり5年後の地元での演奏のほうがより徹底しており、音の効果もだいぶ落ちるので、記録としての価値の方が高い。
『フルトヴェングラーの全録音名盤』宇野功芳著より
ただ僕が聴いた印象では、思いのほか音も悪くなく聴くことが出来た。
宇野氏も書いているが、フィナーレのコーダは51年のバイロイト盤より速い超スピードだ。個人的にはやり過ぎだと思うが、そこがファンには堪らないところだと思うし、アンチにとっては、だから嫌なんだよ、と賛否がはっきり分かれる箇所だろう。
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