こんにちは、
ともやんです。
シューリヒトは、ブルックナーの交響曲第7番の録音をいくつか残していますが、ステレオ録音は、ハーグ・フィルとのものが唯一です。
商品解説のよると当時世界最大の会員制レコード・クラブ「コンサート・ホール・ソサエティ」によって収録されましたそうです。
このCDは、シューリヒトの唯一のブルックナーの第7番のステレオ録音ということで、カタログには常に乗っていて、シューリヒトの録音の中でも名盤と評されることが多いです。
ただ、その評にはいつもオケは二流というコメントを記されていることが多いです。
これは僕個人の見解ですが、そんなに二流なの?というのが正直な気持ちです。
ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団を本やネット調べても明快な情報が出てこないのですが、同じくデン・ハーグにあるハーグ・レジデンティ管弦楽団の別の名称という記載を複数件見つけました。
これも僕の個人的な推測ですが、ハーグ・レジデンティ管はフィリップスなどに録音を残していますが、シューリヒトの録音の様に契約外の時は、ハーグ・レジデンティ管という名称を使えないので、ハーグ・フィルと表記しているのでは、と考えるのです。
もしハーグ・フィル=ハーグ・レジデンティ管だとすると創設が1904年の歴史あるオーケストラです。
CD化などのせいで音が貧弱に聴こえる媒体もあったかもしれませんが、オケは二流と書いている文章を読むと「お前、本当にちゃんと聴いているのか?」と疑問を持ってしまいます。
これは僕自身反省することですが、お気に入りの評論家が推す録音ばかり聴いていると助かる反面、その評論家が推さない、むしろけなす音楽家は聴かなくなります。
これは良くないですね。
最後は自分の耳に確認することが大切です。
ということで、シューリヒト&ハーグ・フィルの演奏はもちろん素晴らしいですが、ハーグ・フィルは、世界のトップクラスではないとしても決して二流ではないと僕は強く思うのです。
シューリヒト&ハーグ・フィル ブルックナー 交響曲第7番
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (改訂版)
Symphony No. 7 in E Major, WAB 107 (modified version)
1.(20:28) I. Allegro moderato
2.(18:38) II. Adagio: Sehr feierlich und sehr langsam
3.(08:48) III. Scherzo: Sehr schnell
4.(12:27) IV. Finale: Bewegt, doch nicht schnell
total(60:21)
ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団 – Hague Philharmonic Orchestra
カール・シューリヒト – Carl Schuricht (指揮)
録音: 1964年9月 デン・ハーグ、クアハウス
ブルックナー: 交響曲第7番(改訂版) カール・シューリヒト ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
この録音は、当時世界最大規模の会員制レコード・クラブ「コンサート・ホール・ソサエティ」によって収録されました。
このクラブは1970年代に消滅しましたが、そのおかげでシューリヒト唯一のステレオによるブルックナーの第7番が残されることになりました。
ハーグ・フィルは二流のように思われていますが、演奏をじっくり聴くと細部にわたってきっちりとリハーサルを行った跡が感じられます。その意味ではウィーン・フィルよりも指揮者の手足となっているとも言えるでしょう。
今回、非常に状態の良いテープを入手、柔らかく繊細、かつ透明感溢れる原音の響きを大切にしてマスタリングを施しました。(平林直哉)
キングインターナショナル
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