こんにちは、
ともやんです。
僕が初めてフルトヴェングラーの演奏録音を聴いたのは、今から50年ほど前のことで、フルトヴェングラーがウィーンフィルを振った1944年の戦中の録音でした。
あの有名なウラニア盤の音源のものです。
中学生の僕は、当然それがスタンダードだと聴いていました。
その後、ワルター、ベーム、カラヤンなどのLPを聴くにつれ、フルトヴェングラーのスタイルがとても特異なものだと気付きました。
かと言って特異な演奏だからと言って、面白くないわけではなく、フルトヴェングラーの演奏が、もっともスリリングでワクワクドキドキさせてれるのです。
フルトヴェングラーのブルックナー
フルトヴェングラーは、決してブルックナーを増えてとしていたわけではなさそうです。
残されている演奏曲には偏りがありますが、むしろ積極的に取り上げていた印象があります。
そのフルトヴェングラーのブルックナーの演奏スタイルは、ブルックナー指揮者と言われるヨッフム、ヴァント、朝比奈などと比べるとやはり特異なものです。
つまりベートーヴェンでも使っている緩急自在にして、追い込むようにアッチェランドを掛けたりしています。
特に本日ご案内するCDは、ライブの放送録音ということで、フルトヴェングラー的にはやり切った感じでの名演ですが、ブルックナーからはもっとも遠いスタイルです。
ただそれは、第8番に関しては、クナッパーツブッシュ、シューリヒト、朝比奈の録音を聴いてきたたため、フルトヴェングラーのスタイルと特異を感じるだけで、先に挙げたようにもし、フルトヴェングラーの第8番を一番最初に聴いていたら、どう感じただろうと思います。
ブルックナーの演奏に関しては、テンポを動かさない方がよい、ということをよく聴きます。僕はそうなんだ、と素直に受け取っていましたが、それは好き嫌いの問題で、誰が決めたわけではなく、作曲したブルックナーとしてはどう考えていたのだろうと思います。
なにか堂々巡りのようになりましたが、フルトヴェングラーのブルックナーは、先入観を捨てて素直に聴くのがいいと思います。
第三楽章の濃厚な味わいが素晴らしく、終楽章の盛り上げもさすがと思います。
ちょっと毛嫌いしていたフルトヴェングラーのブルックナーを聴き込みたいと思いました。
フルトヴェングラー ブルックナー 交響曲第8番
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (フルトヴェングラー版)
Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (ed. W. Furtwangler)
1.(15:27) I. Allegro moderato
2.(13:38) II. Scherzo: Allegro moderato
3.(24:51) III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend
4.(21:51) IV. Finale: Feierlich, nicht schnell
total(75:47)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 15 March 1949, Titania Palast, Berlin
ブルックナー: 交響曲第8番 (ハース版) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フルトヴェングラー/ブルックナー第8(1949)、
白熱のライヴ、原音を忠実に再現!
制作者より
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによる1949年3月15日のライヴ、ブルックナーの交響曲第8番は、フルトヴェングラーの数あるライヴの中でも突出して燃え上がった演奏として知られます。最近では演奏中に発生したノイズを除去したり抑えたりするのが流行であり、この傾向は今後も続くと思われます。
しかしながら、できる限り手つかずの音を聴きたいというファンも多く、そうした方の期待に応える発売を継続したいと考えています。
復刻に使用したのは2トラック、19センチのオープンリール・テープですが、音は十分に生々しく、雰囲気は豊かです。(平林直哉)
キングインターナショナル
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