フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第5番 1954年 LP盤

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こんにちは、
ともやんです。

フルトヴェングラーは、1954年11月30日肺炎のために68歳の生涯を閉じました。
人の人生の長さは個人差も大きいので一概には言えませんが、もっと長生きしてほしかったな、と心底思います。

そんfな思いを湧きおこらせた録音を今回聴きました。
もう何度も聴いている録音ですが、その度に沸き起こる思います。

その録音とは、フルトヴェングラーが亡くなった年の2月から3月に掛けてウィーン・フィルと演奏したベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調、通称”運命”です。

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フルトヴェングラーの円熟へ期待

僕がフルトヴェングラーの早い死を惜しむのは大きく2つの理由からです。

1,ステレオ録音に間に合わなかった。
2,円熟期を迎える予感があった

フルトヴェングラーよりも1歳年上で交友関係もあったクレンペラーは、54年頃とステレオ録音になった57年以降では、芸風にかなり変化が見られました。

それまでの早めのテンポで楽譜を刻明に読み込んで、しかも覇気溢れる演奏をするリアリストでしたが、特に60年以降は、テンポは遅くなり、リアルなスタイルは変わらずより刻銘に深い表現になって行きました。

フルトヴェングラーもライブとスタジオの違いはありますが、この54年の録音は、40年代の緩急自在で情感豊かなんしてより悲しさを讃えた演奏からかなりな変化を遂げ、整然となりより響きは深くなり、造形も堅固になってきていました。

つまり、フルトヴェングラーは、すでにこの頃芸風の変化を迎えていて、長生きしていたらクレンペラーのような成長という変化を遂げていたと想像するのです。

もちろん年齢を重ねることで演奏が崩れていくこともあったかもしれません。
ただ、どっちにしても明瞭なステレオ録音で聴きたかったな、という思いは残ってしまいます。

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フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第5番

フルトヴェングラーによるベートーヴェンの交響曲第5番の録音は、12か3種類残されています。

ただほとんどがライブ録音でスタジオ録音は、1926年と37年、そして54年の3種類しかありません。

やはりどれもスタジオ録音ということで整然とはしていますが、37年盤ではどうしてもテンポの変化や終楽章のアッチェランドなど見られます。

しかし、54年盤では一貫して堅固な造型を維持しています。
また一番顕著なのは、この録音の3ヵ月後の5月に録音されたベルリン・フィルとのライブ録音も過激なテンポの変化は抑えられ、造型が安定しています。

つまりフルトヴェングラーの豊かな表現力を堅固な造型に支えられるようになってきたのです。
欠点と思われていた点が改善され、全体的に演奏の質が非常に上げって来たと僕は思います。

そんないろいろなことを考えさせられる名演です。

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フルトヴェングラー ベートーヴェン交響曲第5番 1954年 LP盤

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

1.(08:39) I. Allegro con brio
2.(11:22) II. Andante con moto
3.(06:03) III. Allegro –
4.(09:49) IV. Allegro – Presto
total(35:53)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1954年2月28日、3月1日 ウィーン、ムジークフェラインザール
使用音源:2021年Studio Art & Sonによる、オリジナル・マスターテープからの24bit/192kHzリマスター音源

ベートーヴェン 交響曲第5番<限定盤> ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

フルトヴェングラー生誕135年記念!
2021年新リマスター音源による先行アナログLP盤発売!

ワーグナーとブルックナーの解釈者として名を馳せたにもかかわらず、フルトヴェングラーは一貫してベートーヴェンの音楽を愛していました。

フルトヴェングラーは何度も何度もベートーヴェンの交響曲を演奏し、最後の数年間でコンサートプログラムとしてますます支配するようになりました。フルトヴェングラーは、ドイツの伝統的な指揮者としての集大成でした。その見解では、楽譜は真実の一部しか伝えてないといいます。

有名な批評家ネヴィル・カーダスによると「フルトヴェングラーは、印刷された楽譜は最終的な声明とは見なさず、想像力に富んだ概念の非常に多くのシンボルと見なし、常に変化し、常に主観的に感じられ、それを実現した」と語っています。

この1954年のウィーン楽友協会でのスタジオ録音での「運命」でも、彼の柔軟でありながら有機的なテンポの扱いの素晴らしい例といえましょう。

ドラマのように絶え間なく変化する脈動に応じてテンポが変化されますが、すべてが駆動され、単一の根底にある衝動によって浸透されます。同時に、バランスと明快さに対する指揮者の関心は、私たちがすべてを聞くようなものです。すべてのメロディラインが光り輝くように聞こえ、すべての鋭いアクセントが物語っています。

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