ワルター&ウィーン・フィル マーラー交響曲第9番 1938

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こんにちは、
ともやんです。

グスタフ・マーラー(1860-1911)は、1909年に交響曲第9番を完成後、第10番の作曲に着手し、第一楽章のみ総譜を完成させ、第二楽章は総譜のスケッチだけで世を去りました。

結局、第9番は、マーラー自身で初演することもなく、1911年5月18日に50歳で永眠しました。

現代から考えると50歳という年齢は働き盛りですが、マーラー自身は心臓に疾患があったようで、残念ながら指揮者としても短い生涯した。

交響曲第9番は、マーラー自身の初演は叶わず、翌年1912年6月26日にウィーンにて、弟子のブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルハーモニー管の演奏で初演されました。

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宇野功芳 ワルターのマーラー交響曲第9番を語る

僕が敬愛するクラシック音楽評論家・宇野功芳氏は、若い頃病気でしばらく療養生活を送っていた頃、ワルターとは書簡の交換したほどで、まさに恩師のような人だったようです。
だから、音楽家としてのワルターは、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュのような凄みはなかったと感じていたようですが、いつもワルターの演奏に対して良いも悪いも愛情を持って接せられている感じが伝わってきます。

その中でも、1938年のウィーンフィルとのマーラー交響曲第9番は特別なようで『名指揮者ワルターの名盤駄盤』では、次のように書いています。

1938年は、ナチスによるユダヤ人排斥運動が極限に達していて、オーストリアはドイツの統一され、ワルターはこのマーラーの演奏の2、3週間後の演奏旅行中にウィーンにおける全財産を没収されています。

またワルター自身、この演奏が始まる前に咳払いやドタバタという足音で妨害も受けたと語っています。

ただ、録音を聴く限りは、そのような妨害と感じさせる音は聴き取ることが出来ません。

そして、宇野氏は、この演奏の録音をワルターの全レコード中、ベスト・ワンを争うべき超名演と記しています。

また、「このレコードを聴かずしてマーラーの『第九』を語るなかれ」と記しています。

まさに宇野氏のいう通りで、この演奏は凄まじいものがあります。また、音質も鑑賞に十分耐えうるもので、聴いていると古さを忘れてしまうくらいです。

ぜひ、聴いて欲しい歴史的名演の名盤です。

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ブルーノ・ワルター マーラー交響曲第9番 1938

グスタフ・マーラー – Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第9番 ニ長調
Symphony No. 9 in D Minor

1.(24:57) I. Andante comodo
2.(15:43) II. Im tempo eines gemachlichen Landlers
3.(11:21) III. Rondo – Burleske
4.(18:30) Iv. Adagio
total(70:31)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: 16th January, 1938, Musikvereinsaal, Vienna

マーラー:交響曲第9番(ウィーン・フィル/ワルター)(1938)

マーラー好きにはこたえられない、そして無視出来ない、ワルターによる「第9」。

彼がこの作品を世界初演したという記念碑的な意味合いだけではなく、演奏自体が価値のある=作曲家自身さえ想像し得なかった芳醇かつ深遠な解釈を施す能力をワルターが持っていた=ことを、このCDがまごうことなく証明しています。

第1楽章のアンダンテの壮大さはもちろん、最終楽章のアダージョのなんと融通無碍なことか!ともすればヒステリックな感傷に走りがちなマーラー作品の影はひそめ、静謐かつ音楽自身が求めている流れそのものが体現されています。CD帯紹介文

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