フルトヴェングラーの第九 ザルツブルク 1951

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こんにちは、
ともやんです。

ヤマカズさんこと指揮者の山田一雄氏のエッセイ集『一音百態』の中で、今まで第九は何回指揮しましたか?とインタビューで質問され困ったと記していました。
そして年5回振るとして40年間で200回。実際はもっと多いだろうとも書かれていました。

これは日本人指揮者特有のことかもしれません。
つまり年末になるとプロのオーケストラはもちろん、アマチュアのオケでも第九をやるので名前を知られていない人でも振った経験のある人は多いかもしれない。
ましてプロで著名な指揮者となれば、ヤマカズさんじゃないけど、20年から30年のベテランとなると100回くらいは軽く行くのかもしれない。

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フルトヴェングラー 第九 演奏回数

ところが、欧米に行くと「第九」は特別な曲とみなされ、フルトヴェングラーでは、『カラヤンとフルトヴェングラー』中川右介著では、確か96回と記されていたように記憶します。これは、ターラの社主・故トレミヌ氏調査による資料を参照してと思います。

最初の演奏が1913年4月26日リューベックで、最後に振ったのが1954 年8 月22 日のルツェルンでということです。

一方『私のフルトヴェングラー』宇野功芳著では、僅か11回と書かれていて、ただよく読むとそれは公演数で、その公演も2日連続、3日連続公演もあるので、指揮をした数はもっと多いと思うし、ベルリンフィルの定期演奏会を主な資料としているので、ターラ社主・故トレミヌ氏の調査が、より実績に近いのではと思います。

ただ、はっきりしているのは、前述のヤマカズさん始め、日本で活動する著名指揮者に比べずっと少なかったことは確かなようです。

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宇野功芳 フルトヴェングラー 第九 ベスト3

前述の『私のフルトヴェングラー』では、宇野氏は、以下の3つの演奏を自分のベスト3としている。

①ベルリン・フィル 1942年3月22日~24日
②バイロイト祝祭管 1951年7月29日
③ウィーン・フィル 1952年2月3日
年代順

さて、今回聴いた1951年8月31日ザルツブルク音楽祭の録音は、宇野氏は当然聴いていると思うが、これに対するコメントなどは、僕の持つ資料では見つけられない。
単に僕の怠慢ならいいが、この演奏に対する宇野氏のコメントはぜひ読みたいところだ。

なぜかというと非常に演奏はもちろん、僕が聴いたオルフェオ盤は録音の音質もいいからです。

多分、観客の咳払いなどもしっかり聞き取ることができるので、余計な編集はしていないと思われ、それが実演の生々しさを伝えているからとも思います。

ぜひ、聴いてほしい名演の名盤です。

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フルトヴェングラーの第九 ザルツブルク 1951

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller

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1.(18:29) I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(12:29) II. Molto vivace
3.(19:07) III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato
4.(07:20) IV. Finale: Presto – Allegro assai
5.(18:55) IV. Recitativo: O Freunde, Nicht Diese Tone!
total(76:20)

イルムガルト・ゼーフリート – Irmgard Seefried (ソプラノ)
ジークリンデ・ワーグナー – Sieglinde Wagner (アルト)
アントン・デルモータ – Anton Dermota (テノール)
ヨーゼフ・グラインドル – Josef Greindl (バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団 – Vienna State Opera Chorus
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 31 August 1951, Live recording, Salzburger Festspiele, Austria

ベートーヴェン: 交響曲第9番《合唱付き》 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1951年の夏のフルトヴェングラーは極めて精力的な活動をしていました。7月29日にはバイロイト音楽祭の再会記念でかつ第9の演奏をしています。その後ザルツブルク音楽祭で「魔笛」と「オテロ」などの公演をしつつ、途中二回ルツェルン音楽祭にも登場しています。いやはや、何たるスタミナ!その一連の活動の最後を飾るのがこの第9の公演でした。

バトロイトでの録音は、収録条件の制約とバンベルク響を中心とした寄せ集めのオーケストラが少なからずマイナスでしたが、ここでの演奏ではウィーン・フィルが大変魅力で、特に第3楽章の思い入れたっぷりの弦の美しさはこのオーケストラだからこそできたものでしょう。

というわけで、フルトヴェングラーはその後、病に倒れザルツブルク音楽祭をキャンセルしています。そしてそれからの彼の音楽は晩年の枯れたスタイルに変容していくのです。

この第9は彼の気力漲る時代の最後に位置するものかもしれません。フルトヴェングラーのウィーンPOとの第9は今までも何種類か世に出ているのでちょっと混乱するでしょうが、ザルツブルクでのライブはいかなるルートでも全く登場していません。
HMV&BOOKS onlineより

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