こんにちは、
ともやんです。
先日の6月15日にクレンペラーの貴重な音源によるSACDハイブリッド盤がリリースされました。
それは、クレンペラーが1947年から61年に掛けてコンセルトヘボウ管と録音した音源のSACD化でした。
SACDハイブリッド盤で全24枚。ベートーヴェン、マーラーなどクレンペラーの得意とする作曲家の演奏中心で大変興味深い音源です。
今回は、収録されている録音でもっとも古い1947年12月のライブ演奏をご案内します。
クレンペラーの演奏スタイル 認識新に
売れっ子評論家だった故宇野功芳氏は、クレンペラーが一流の指揮者の仲間入りしたのは、60年代以降のフィルハーモニア管とのステレオ録音以降で、それまでは即物的な演奏をするリアリストで二流の指揮者だった内容のコメントをその著書等に書いていました。
だから、僕はフィルハーモニア管とのステレオ録音中心に聴いていたのですが、50年代のモノラル録音を聴いているとその生気溢れ気迫のこもった演奏に非常に感銘を受けるようになったのです。
テンポは、60年代校に比べれば、かなり早く、聴きようによってはせかせかしている感じには聴こえます。しかし、それを補う以上の生き生きした躍動感が伝わってくるのです。
だから、最近ではむしろ50年代の録音を聴くことが多くなりました。
さて、クレンペラーの1947年は、ロサンジェルス・フィルに客演し、その後黒人2人組の強盗に襲われ、意識を失って朝がたに警察に保護ざれるという事件に遭遇しています。
幸い大事には至らなかったようで、クレンペラーはほどなく渡欧。
5月にパリ・オペラ座では得意の『ローエングリン』に取り組みますが、リハーサルで監督と衝突して劇場を訴えたのち、8月にはウィーン・フィルとザルツブルク音楽祭に出演してマーラーの4番とロイ・ハリスの3番ほかのオーケストラ・コンサートと、『フィガロの結婚』を指揮しています。
その後、ウィーン国立歌劇場で『ドン・ジョヴァンニ』を指揮、そしてブダペスト国立歌劇場音楽監督に就任し、12月にはコンセルトヘボウ管弦楽団に客演するという忙しさでした。
クレンペラー メンデルスゾーン、マーラー&ブルックナー
フェリックス・メンデルスゾーン – Felix Mendelssohn (1809-1847)
序曲「フィンガルの洞窟」 Op. 26
1.(09:30) The Hebrides, Op. 26, “Fingal’s Cave”
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グスタフ・マーラー – Gustav Mahler (1860-1911)
さすらう若人の歌(声と管弦楽版)
2.(14:17) Lieder eines fahrenden Gesellen (Songs of a Wayfarer) (version for voice and orchestra)
作詞 : グスタフ・マーラー – Gustav Mahler
ヘルマン・シャイ – Herman Schey (バリトン)
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アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB 104 (1881年稿・ハース版)
Symphony No. 4 in E-Flat Major, WAB 104, “Romantic” (1881 version, ed. R. Haas)
3.(13:42) I. Bewegt, nicht zu schnell
4.(12:42) II. Andante quasi allegretto
5.(09:54) III. Scherzo: Bewegt
6.(17:31) IV. Finale: Bewegt, doch nicht zu schnell
total(53:49)
コンセルトヘボウ管弦楽団 – Concertgebouw Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音: 4 December 1947
クレンペラー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団/伝説的アムステルダム・コンサート1947-1961
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