こんにちは、
ともやんです。
クレンペラーが偏愛している曲が何曲かあって、それは録音も多いので多分コンサートやレコーディングで取り上げる機会も多かったと思います。
目立つところですは、
モーツァルト交響曲第29番
ベートーヴェン交響曲第7番
マーラー交響曲第2番「復活」
特にモーツァルトの第29番はオットー・クレンペラー・コレクション」(CD72枚組)の目次を繰っているとその多さが目立ちます。
数えてみると合計7件収録されています。
クレンペラー モーツァルト交響曲第29番の録音
クレンペラーによるモーツァルト交響曲第29番の演奏年が古い順に以下に記します。
1950年 RIAS交響楽団(21:18)
1954年 ケルン放送交響楽団(23:32)
1955年 北ドイツ放送交響楽団(22:55)
1956年 バイエルン放送交響楽団(24:20)
1956年 コンセルトヘボウ管弦楽団(24:29)
1956年 ケルン放送交響楽団(23:25)
1963年 フィルハーモニア管弦楽団(25:32)
オーケストラ名の右のカッコ内の数字は、演奏時間です。
ざくっと年を追うごとに演奏時間が伸びていることがわかります。
なお、上記の演奏はどれもライブ録音が放送録音ですが、スタジオ録音では、フィルハーモニア管のモノラル、ニューフィルハーモニア管とのステレオ録音があります。
さて、演奏スタイルは、大きな変化はありませんが、63年盤がステレオ録音ということで、造型は巨大になり広々として演奏になっています。
どの演奏を取っても滋味あふれる名演で、クレンペラーの持つ武骨で素っ気ないスタイルは影を潜めています。唯一1955年の北ドイツ放送響の演奏には、素っ気なさが見え隠れする程度です。
そんなことから、クレンペラー自身この曲を愛し慈しむ感情が強かったのではと推測できます。
ぜひ、『オットー・クレンペラー・コレクション』で聴き比べてみてはいかがでしょうか?
クレンペラー 名演 モーツァルト交響曲第29番
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第29番 イ長調 K. 201
Symphony No. 29 in A Major, K. 201
1.(08:49) I. Allegro moderato
2.(08:36) II. Andante
3.(03:10) III. Menuetto
4.(04:57) IV. Allegro con spirito
total(25:32)
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
録音:1963年12月19日
※唯一のステレオ盤の63年盤のみ表示しておきます。
交響曲第29番は、1774年4月6日にザルツブルクで完成した作品ということですの、なんとモーツァルト18歳の時の作品です。前年1773年10月に作曲された第25番と合わせてモーツァルト10代の傑作です。
しかもこの曲には相当自信を持ていたようで、10年後に1783年1月4日の手紙で、ウィーンでの演奏会で用いるために楽譜を送ってくれるようザルツブルクの父親に依頼しています。
※ザルツブルクの風景 提供先:Wolfgang ZimmelによるPixabayからの画像
その時楽譜を依頼して交響曲が3曲で、第24番K.182、第25番K.183とこの第29番でした。後世では、第25番と第29番の評価が高く第24番はあまり顧みられませんが、モーツアルト自身は、同等に評価していたと思われます。
『オットー・クレンペラー・コレクション』
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ぜひ、聴いてみてください。
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