フルトヴェングラー 最後のベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲

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こんにちは、
ともやんです。

ベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲は、1806年に作曲され、同年12月23日にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で、フランツ・クレメントの独奏で初演されました。

出版は、1808年にウィーンの美術工芸社からで、ボン時代からの親友であるシュテファン・フォン・ブロイニングに献呈されました。

初演の独奏をしたフランツ・クレメント(1780-1842)は、ベートーヴェンより10歳年下のウィーン生まれのヴァイオリニストで、なんと8歳でデビューすると神童ぶりを発揮した人です。

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ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 初演者クレメント

ベートーヴェンの傑作ヴァイオリン協奏曲の初演を担当したフランツ・クレメントは、上記のように幼少の頃から才能を発揮していました。

クレメントとベートーヴェンとの逸話には、クレメント14歳の時にすでにベートーヴェンは、彼の演奏を聴いていて、当時新進の作曲家だったベートーヴェンは、クレメントのノートにサインをしてクレメント少年を喜ばせたそうです。

またクレメントは、1802年からアン・デア・ウィーン劇場のオーケストラのコンサートマスターを務めていました。

ベートーヴェンは、この曲の作曲時からクレメントに相談していたそうで、しかも初演の時には作曲も完了しておらず、クレメントはなんと初見で見事に弾き切って初演のコンサートを成功に導きました。

しかし、二人の関係は、この初演の後は続かなかったようです。
ただ、お互いの記憶の中にはしっかり刻まれてて、1824年頃のベートーヴェンの会話帳の中にクレメントの名前の記載があり、1827年にはクレメントは、病床のベートーヴェンを見舞っています。

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フルトヴェングラー ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 録音歴

フルトヴェングラーが振ったベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は5種類あります。
2つがスタジオ録音、3つがライブ録音です。

これらの演奏では、豊かなレガートをひたすら求め、細部が有機的に全体と結びつくよう長い一本の線を記そうと努力するフルトヴェングラーの姿勢を知ることが出来ます。

以下に、録音年月日と独奏者とオーケストラを記します。

①1944年1月9~12日(ライブ) エーリヒ・レーン ベルリンフィル
②1947年8月28~29日(スタジオ) ユーディ・メニューイン ルツェルン音楽祭管
③1947年9月30日(ライブ) ユーディ・メニューイン ベルリンフィル
④1953年4月7~8日(スタジオ) ユーディ・メニューイン フィルハーモニア管
⑤1953年5月18日(ライブ) ヴォルフガング・シュナイダーハン ベルリンフィル

なお、この5種類の録音中では、44年1月に録音されたレーンとのライブは、当時ベルリンフィルが本拠地としていたフィルハーモニーが連合軍の爆撃で破壊される前の最後の演奏会での録音です。

なお、レーンは、1934年よりベルリンフィルのコンサートマスターを務め、戦後はハンス・シュミット=イッセルシュテットの下で、創設された北ドイツ放送交響楽団のコンサートマスターを務め、ドイツ復興に尽力しました。

さてヴォルフガング・シュナイダーハン(1915-2002)は、ウィーン生まれのヴァイオリニストで、1933~37年までウィーン交響楽団のコンサートマスター、37~49年までウィーンフィルのコンサートマスターを務め、その後ソリストとして独立した人です。

そのため、堅実な演奏ですが、表現の幅が狭いそうです。当然僕にはその辺は分かりませんが、フルトヴェングラーの伴奏の下、伸び伸びと演奏している様子が感じられます。

そして何と言ってもフルトヴェングラーの伴奏が豊かな響きで最高!
逆に終楽章は早めのテンポで、切れの良い演奏を展開しています。

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フルトヴェングラー&シュナイダーハン ベートーヴェン Vn協奏曲

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 61 (カデンツァ:J. ヨアヒム)
Violin Concerto in D Major, Op. 61 (Cadenzas by J. Joachim)

1.(24:10) I. Allegro ma non troppo
2.(10:39) II. Larghetto –
3.(09:51) III. Rondo: Allegro
total(44:40)

ヴォルフガング・シュナイダーハン – Wolfgang Schneiderhan (ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音:1953年5月18日(ライブ)

シュナイダーハン&フルトヴェングラーのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲を2トラック38センチ・オープンリール復刻!

シュナイダーハン&フルトヴェングラーの協奏曲ほか、
地味ながらも充実の一枚!
フルトヴェングラー秘蔵テープ復刻シリーズ

制作者より
シュナイダーハンとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は2トラック、38センチのオープンリール・テープを使用、かつてないほど瑞々しく明瞭な音質で蘇りました。「エグモント」序曲はLP復刻(GS-2013、2006年)以来、当GSシリーズ2度目の復刻。今回は2トラック、19センチのオープンリール・テープを使用し、より自然な響きを獲得しました。プフィッツナーも同じく2トラック、19センチのテープを使用しましたが、音質の良さは同日のライヴであるブラームスの交響曲第4番ほか(GS-2212)で実証済みです。曲は地味ですが、当時のベルリン・フィルの素晴らしい音色に悩殺されてしまいます。(平林直哉)
キングインターナショナル

最後に

フルトヴェングラーは、意外と協奏曲指揮者として才能があったのかもしれません。
クレンペラーにしろ、シューリヒトにしろ、クナッパーツブッシュにしろ協奏曲でも素晴らしい録音を残しています。

彼らが、単に自分の個性を押し付けるだけではなく、ソリストを励まし盛り立てる才能にも長けていたことの証明だと思います。

フルトヴェングラー CDベスト10 宇野功芳編

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