こんにちは、
ともやんです。
ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965)
ドイツの名指揮者で、時に特異な演奏をすることで有名です。
亡くなって60年近く経ちますが、今での多くのファンがいます。
何を言おう僕のその一人です。
最近、クナッパーツブッシュの本を2冊入手しました。
一冊は『クナッパーツブッシュ 音楽と政治』奥波一秀著。もう一冊は『ハンス・クナッパーツブッシュ 生涯の研究』鈴木秀三著。
共に厚い本なので少しずつ読み進め新しい発見があれば、このブログで報告して行きたいと思います。
今日は、1920年代のクナッパーツブッシュの名演をご案内します。
クナッパーツブッシュ 1925年の録音
『ハンス・クナッパーツブッシュ 生涯の研究』の中で、1925年の録音に触れています。
この年にクナッパーツブッシュは初めての録音を行ったことになっています。
1925年というと電気式マイクロフォンが発明された年ですが、クナッパーツブッシュの1925年の初録音は、アコースティック録音でした。
また他の資料では、この時の録音は1924年だった可能性もあるとされているものもあります。
さて最初の録音は、ハイドンの交響曲第92番「オックスフォード」とクレメンス・フォン・フランケンシュタインの「ジャコモ・マイアベーアの主題による変奏曲」。
クレメンス・フォン・フランケンシュタイン(1875-1942)は、イツの作曲家であり、バイエルン王立裁判所と国立劇場の最後の総支配人だった人です。
ちなみにこの録音が行われた前年の1924年にフランケンシュタインが、バイロイト州立歌劇場の総支配人に返り咲いています。
最初の録音が、フランケンシュタインの作品というのは、フランケンシュタインへの敬意もあったと思います。
それにしてもハイドンとフランケンシュタインの作品の録音は、約100年近く前の録音ということで、貧弱な音質で、なにか古い映画のバックグランド音楽を聴いているようです。
だから、演奏が云々と言える次元ではないです。
クナッパーツブッシュ 1928年の録音
1928年の録音としてロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲とウェーバーの「魔弾の射手」序曲の2曲が収録されています。
ただミュンヘンでの録音はこの2曲だけのようです。時期も1928年12月らしいです。
しかし、個人的にはこの2曲は興味深い演奏です。作品の魅力もあるかもしれませんが、後のクナッパーツブッシュを彷彿とさせる劇的さを感じます。
1929年は、再びベルリンで州立歌劇場管弦楽団とモーツァルトの交響曲第39番を録音しています。録音機材やスタッフは、やはりベルリンが充実しているからでしょうか?この20年代の録音では一番音質が良いように感じます。
ただ演奏は真っ当で端正で後年のような味はあまりでていないように感じました。
クナッパーツブッシュ 名演集 1920年代
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン – Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第92番 ト長調 「オックスフォード」 Hob.I:92
Symphony No. 92 in G Major, Hob.I:92, “Oxford”
1.(07:10) I. Adagio – Allegro spiritoso
2.(09:07) II. Adagio
3.(03:13) III. Menuetto: Allegro
4.(03:48) IV. Presto
total(23:18)
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クレメンス・フライヘル・フォン・フランケンシュタイン – Clemens Freiherr von Franckenstein(1875-1942)
5.(13:05) Variations on s Theme by Giacomo Meyerbeer
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ジョアキーノ・ロッシーニ – Gioachino Rossini (1792-1868)
6.(08:57) Guillaume Tell Overture
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カール・マリア・フォン・ウェーバー – Carl Maria von Weber (1786-1826)
歌劇「魔弾の射手」 J. 277 – 序曲
7.(10:52) Der Freischutz, J. 277: Overture
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第39番 変ホ長調 K. 543
Symphony No. 39 in E-Flat Major, K. 543
8.(06:57) I. Adagio – Allegro
9.(06:48) II. Andante
10.(03:20) III. Menuetto – Trio: Allegretto
11.(03:47) IV. Finale: Allegro
total(20:52)
録音:1925(1-5)、1928(6-7)、1929(8-11)
ベルリン国立歌劇場管弦楽団 – Berlin State Opera Orchestra
バイエルン国立歌劇場管弦楽団 – Bayerisches Staatsorchester※
ハンス・クナッパーツブッシュ – Hans Knappertsbusch (指揮)
ハンス・クナッパーツブッシュの芸術 with 国立歌劇場管弦楽団
クナとバイエルン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ歌劇場のオーケストラが共演した音源から、代表的なものがCD11枚分集められています。
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